発着[語句情報] »
発着
「発着〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
発着の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
も星もない曇り空に、尾根のような駅の屋根が、高く黒々と浮きだしていた。遉に列車も
発着を停止したらしく、いつもは眩しいばかりに照りつけている反射灯の光も消えて、塔....
「赤外線男」より 著者:海野十三
るうちは不思議にもきまって、必ず一人の若い婦人が凭れているのだ。その婦人は電車の
発着に従って人は変るけれど、其の美しさと、何となく物淋しそうな横顔については、ど....
「一坪館」より 著者:海野十三
しい考えだ」 「これで儲かったら、こんどはもっと飛行場をひろげて、大型の旅客機が
発着できるようにしたいです。そのときには、銀座はもちろん木挽町から明石町の方まで....
「地球要塞」より 著者:海野十三
艇庫におさめられた。 この地下プラットホームは、東京港に特に設けられた船舶用の
発着所であった。船舶といえば、むかしは、桟橋《さんばし》についたり、沖合に錨をお....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
「えっ。それは分かっているじゃありませんか。飛行島というのは海中に作った飛行機の
発着場なんでしょう。それにちがいありますまい」 「大きに、そのとおりです。誰でも....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
だ。 印度洋まで行ったら、無線電信を一度打とうと思う。 郵便会社の方から船の
発着などの通信が、るす宅へ行くそうなが、行っているか、もし行ってなかったら会社へ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
出して見ると、じつに今昔の感が深い。 新宿駅は明治四十年にはまだ今の西武電車の
発着所の所にあって、やっと四間に八間くらいの至って貧弱なものであった。それが急に....
「競漕」より 著者:久米正雄
の任務を思い返して上流の方をすかして見た。するといつの間に来たものか鐘ヶ淵の汽船
発着所の上手に農科の艇らしいのが休んでいる。急いで望遠鏡を取り出して眺めると、舵....
「愛の為めに」より 著者:甲賀三郎
さん風のすっきりとした美しい婦人である。 じっと観察していると、彼女は自動車の
発着の度に、眼を輝して忙しく乗降の人を探し求めている。自動車の姿が消えると、その....
「岩魚」より 著者:佐藤垢石
に滞在する気持ちになれなかったのである。 西川渓谷に添うて、猿ヶ京の乗合自動車
発着場まで三里の山路を急いで歩きはじめた。宿から数十町下ると、西川に渓流がさらに....
「那珂川の鱸釣り」より 著者:佐藤垢石
幸田露伴翁も那珂川で鱸の大釣りをやったことがあるそうだ。場所は、水戸市下市の汽船
発着場の下手らしいが、小舟の胴の間一杯釣ったらしい。それは、もう二、三十年前の話....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
客が入替った。が耕吉のほかにもう一人十二三とも思われる小僧ばかりは、幾回の列車の
発着にも無頓着な風で、ストーヴの傍の椅子を離れずにいた。小僧はだぶだぶの白足袋に....
「空飛ぶ悪魔」より 著者:酒井嘉七
にあるか僕達の誰にも分らない。しかし、市町村に附属するものであるというから、夜間
発着には十分の広さがあるはずだ。標識の全部は消灯されているが、場の中央を示す『A....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
の乗場まで来ると、ぼくらはその前の藤棚の下のベンチに腰を下ろしたが、そこは絶えず
発着するバスの音が喧しくて、彼女からあの晩の男のことを訊きだそうとするぼくの目的....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
立っているのはむかしながらのけしきだが、そのあと、そこから両国の袂の、一銭蒸汽の
発着所のあるところまで、以前はそこに、河の眺めを遮る何ものもなかった。むしろ寂し....