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「発程〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

発程の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
得て、もの優しい宿の主人も、更めて挨拶に来たので、大勢送出す中を、学士の近江屋を発程ったのは、同じ夜の、実は、八時頃であった。 勿論、小春が送ろうと言ったが、....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
一 麹町九段――中坂は、武蔵鐙、江戸砂子、惣鹿子等によれば、いや、そんな事はどうでもいい。このあたりこそ、明治時代文芸発程の名地である。かつて文壇の梁山泊と称えられた硯友社、その星座の各員が陣を構え....
縁結び」より 著者:泉鏡花
ば、今夜にもまた昨夜の家へ出向いて行って、陽気に一つ話をするんだがね、もう東京へ発程んだからそうしてはいられない。」 「はい、あの、私もそれを承りましたので、お....
黒百合」より 著者:泉鏡花
取って、 「滝さん、それでこそお前さんだ、ああ、富山じゃあ良い事をした、お庇様で発程栄がする。」 「お前、もうちっとこっちに居てくんねえな。おいら勝手に好な真似....
星女郎」より 著者:泉鏡花
三十 「ちょいと二人とも言が途絶えた。 (ですがね、貴下、無理にも発程てお帰り遊ばそうとするのは――それはお考えものなんですよ。……ああ、綾さんが....
今戸心中」より 著者:広津柳浪
と、顔を赧《あか》くしながら西宮を見る。 「もう一遍」 「ええ。故郷《おくに》へ発程《たつ》までに、もう一遍御一緒に来て下さいよ、後生ですから」 「もう一遍」と....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
折しもあれやバロン山で打ち出す三発の号砲は、午後二時より催される謝肉祭仮装大行進発程の合図。満堂の異形の群集は、明《あか》らひく曙《あけぼの》の光に追われし精霊....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
一見にしかず」と思い実地見聞の必要を認め、にわかに旅装を整え、まず豪州に向かいて発程す。本邦を去るに臨み、左の書簡をもって知友に告別す。 のぶれば拙者事、明治....