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「発言権〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

発言権の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
、顔色をなおしながら、事務長をそっちのけにした態度で、葉子に対しては自分が第一の発言権を持っているといわんばかりに、いろいろと話し出した。事務長はしばらく風向き....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
が、まさに、秀吉の天下取りの戦争であった。そして信長の遺した事業に対し、偉大なる発言権を握ったわけだ。勝家以下の諸将が、変に応じて上洛を期したけれども、秀吉の神....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
う。 ――二人か出てるさ。 ――あれ傍聴よ。それも、デクの棒みたいに立ってる発言権なしのね。 ――ふウん。 ――氷水お代り貰わない? ――ん。 ――....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
」 「そうでしょう。数からいうと、人類なんか、われわれ蠅族にくらべて一億分の一の発言権もないはずだ。ところが人類のすることはどうだ。蠅叩《はえたた》きという道具....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
なる感覚――それが一応積極的な役割を買って出ても――(乃至知覚)は、そのままでは発言権を持たない。――物理的空間に於ては、感覚の役割はより遙かに積極的でなくては....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
の千両役者から、下は群小レヴューガールに至るまで一人残らず網羅して、各人に平等な発言権を与え、俳優の生活向上、中間搾取の打破、相互の親睦を計ろうというのだそうで....
科学と科学の観念」より 著者:戸坂潤
、政治は政治専門家の専有物ではなくして、政治の素人のものでもあり、素人は政治上の発言権を何かの形で必ず持っているのである。之はあの漫画化された「自由主義」や「デ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ところがそういう人たちは、世に名を知られていない聴衆にすぎなくて、問題にたいする発言権をもっていなかった。クリストフに代わって勇敢に答弁し得る唯一の者――オリヴ....
時 処 人」より 著者:岸田国士
いてえらそうな口を利くつもりはない。しかし、人間の「食生活」についての、一人前の発言権だけは留保するものである。 主食の不足が問題になつている時、悠長な「食談....
この握りめし」より 著者:岸田国士
気取りで問題の納め役を買つて出るのだが、それには多少の金も使うところから部落での発言権はわりに大きかつた。 「なんだね、信濃屋さん、また心中じやあるまいな」 「....
光は影を」より 著者:岸田国士
いた。 「母さんは、どうなんだ」 「母さんは、お父さんの顔色を見るだけ、自分には発言権はないと思つてるの」 「でも、ちよつと愉快じやないか。美佐にそんなひたむき....
新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
の門戸を開かなければならない。有らゆる人々を其処に容れなければならない。平民にも発言権を与えなければならない。 しかし生は死と結びつく事は出来ない。過去の芸術....
間人考」より 著者:喜田貞吉
調査したる所、 一、地下寄合(今の村会の如きもの)に、庄屋の座敷に列席すれども発言権なき事。 一、同上の会合に列席すれども百姓とは別室、即ち一等下の席に着く....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
論終結! 討論終結! 」 と隅から叫ぶものがある。そこで、賀川市長は慌てて議長に発言権を求めた。 市長は演壇から議席を眺めてみたが、議席には人間らしいものがお....
俗臭」より 著者:織田作之助
た。 残された人々はこの場を収拾しなければならぬ。さしずめ年長者の市治郎に先ず発言権が与えられた。が、彼は恐しく無口な人である。市治郎の妻はしきりに夫の脇腹の....