登り口[語句情報] » 登り口

「登り口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

登り口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
余齢初旅」より 著者:上村松園
楽にみることが出来た。 甘露寺へ行くと、石の段がずっと上まで続いている。石段の登り口のあたりにきたない民家がある。そこから四つぐらいから十までくらいのまずしい....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
向って、登り坂となっているのであるが、道幅が二メートルほどの至って狭い坂だった。登り口のところではそうでもないが、三丁ほど登ったところで、誰もがこの坂にかかった....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
ば、最早どこにも人家は見えず、午後四時頃、常州《じょうしゅう》第一の高山八溝山の登り口に達した。登り口には古びた大きな鳥居が立っている。ここから山道は急に険しく....
世相」より 著者:織田作之助
屋に集って、嬉しい時も悲しい時もこれだすわと言いながら酔い痴れているのを、階段の登り口に寝かした母親の屍体の枕元から、しょんぼり眺めていた時、つくづく酒を飲む人....
夢がたり」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
みっともないほど大きな耳だけでありました。ただ鶏だけは、暑さにもめげずに、台所の登り口の下のからからにかわいた地面を、しきりにあしでほじくりながら、どうにか時間....
単独行」より 著者:加藤文太郎
らい登ったところで炭焼道と別れて細い道を伝う。川を渡って、ちょっと行ってから峠の登り口がわからず一度引返したりした。この峠の下りからスキーを履く。ところどころ旧....
審判」より 著者:カフカフランツ
たが、またじっと立ち止ってしまった。この階段のほかに中庭にはまだ三つの別な階段の登り口があり、そのうえ中庭の奥の小さな通路は次の中庭へ通じているように見えたから....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
告げた奥州の厨川とは全然別の厨川だ。柵址には八幡神社が勧請せられて、その社務所が登り口にある。早朝江畑君邸から先発された三浦祠官を始めとして、前代議士の伊藤直純....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
穢不浄の輩入るべからず」という禁止の制札をさえ見る程である。比叡山では、昔は山の登り口に、女人禁制、三病者禁制、細工の者禁制の制札があったという。ここに細工の者....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
」 牛丸はそのまま走り出したが、やがて林に隠れてしまった。同時にひょっこり坂の登り口へ形のよい姿を現わしたのは問題の主の多四郎であった。 彼は年の頃二十四、....
釜沢行」より 著者:木暮理太郎
に大石を積み重ねて足場のようなものが造ってあり、人の蹈んだらしい跡がある。何処か登り口はないかと夫となくあたりを見廻していた二人の眼は、期せずして其処に止った。....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
岩の一枚岩、約三丁の長さを、胸突八丁の絶嶮と称しているが、胸突なるものはいずれの登り口にもあるが、大宮口の傾斜が、もっとも峻急であると思う、焼岩の大きな割れ目の....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
在のヘルプ紳士第一号である。今年の春、塩ガマへ旅行したとき、塩ガマ神社の裏参道の登り口に神様と共存共栄しているサフラン湯本舗のオヤジが、これもヘルプ型であった。....
正午の殺人」より 著者:坂口安吾
時三十五分駅着の電車で降りたわが社の矢部文作記者は、同じ電車できた安川久子が坂の登り口で大きなハンドバッグの中をのぞいて何か思いつめた様子で考えこんでいるのを見....
発掘した美女」より 著者:坂口安吾
、黒滝温泉に向って出発した。 原始の宿 国鉄から私鉄に乗りかえて山の登り口の侘しい町で降りた。駅前のタクシーに黒滝行きをたのむと、運転手が頭をかいて....