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登り詰める
「登り詰める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
登り詰めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
》の知れぬものじゃ。噛みしめて味わう気があるなら、お前も若いお侍、一夜の附合いで
登り詰める心中者《しんじゅうもの》がないとも限らぬ。兄嫁のわたしが意見じゃ。一座....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
里の道を見ず」 と小声に吟《ぎん》じながら、傘《かさ》を力に、岨路《そばみち》を
登り詰めると、急に折れた胸突坂《むなつきざか》が、下から来る人を天に誘《いざな》....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
くなるばかりである。だからこの場合における精神運動の方向は、消極より積極に向って
登り詰める状態である。さてその状態がいつまでも進行して、奮興《ふんこう》の極度に....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
げて崖道を登って行った。 私達の留守の間に先発の警官達が着いたと見えて、崖道を
登り詰めると、顔馴染の司法主任が主館の方から笑いながらやって来た。 「やあ、先生....
「道なき道」より 著者:織田作之助
し花模様のついたワンピースを着た。 上本町七丁目の停留所から、西へ折れる坂道を
登り詰めると、生国魂の表門の鳥居がある。 その鳥居をくぐって、神社まで三町の道....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
れ切った足を引き摺って、ぼんやりと私は、そのつづら折りの山道を登っていましたが、
登り詰めると、今度は山の背を大分行ったところで……こんもり繁った大きな木の下あた....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
葵が薄紫の大きな花を挿して、オオバセンキュウや猩々袴の生えた中に笑み傾けている。
登り詰めると頭の上にのし懸った崖の下を横に搦んで、馬の脊に似た岩の腹に突き当る。....