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登城
「登城〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
登城の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「煙管」より 著者:芥川竜之介
、前田|斉広《なりひろ》は、参覲中《さんきんちゅう》、江戸城の本丸《ほんまる》へ
登城《とじょう》する毎に、必ず愛用の煙管《きせる》を持って行った。当時有名な煙管....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
した。――既に病気が本復した以上、修理は近日中に病緩《びょうかん》の御礼として、
登城《とじょう》しなければならない筈である。所が、この逆上では、
登城の際、附合《....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
之助はちょっとの隙きを見て両国へ行った。あしたは重陽《ちょうよう》の節句で主人も
登城しなければならない。その前日の忙がしい中をくぐりぬけ、彼はもう堪まらなくなっ....
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
を認《したた》めた。 「一|書《しょ》進上致しそろ、今日火急の御召《おめし》にて
登城致し候処、存じの外にも、そこもとを手に掛け候よう上意蒙り申候。されどそこもと....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
臆病者として非難するものさえあった。 が、四、五日してから、その男は飄然として
登城した、そして、忠直卿にお目通りを願いたいと目付まで申し出《い》でた。が、目付....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
がめでたすぎるそれらお歴々の、三百二十八大名全部が、将軍家へお年賀言上のために総
登城する定例なのでした。 一国一城のあるじにしてすでにそうであるから、およそ官....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
身を隠したのか、いずれにしても其の儘では済むまいと思われた。 父の長八は当番で
登城した。長三郎はいつもの通りに剣術の稽古に行って、ひる頃に帰って来ると、母のお....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
りを許される事になっていました。大抵二月の二十五日ごろに江戸に着いて、三月上旬に
登城するのが習いで、オランダ人は日本橋|石町三丁目の長崎屋源右衛門方に宿を取るこ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
その家に対しては特別の待遇をあたえて、苗字帯刀を許される以外に、新年にはかならず
登城して領主に御祝儀を申上げることにもなっていた。 そんなわけで、百姓とはいう....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
此土地では何うも手も足も出せない」 「大岡越前守忠相と宣られ、ご機嫌をお伺いにご
登城なされ、伝手にご金蔵をお調べになっては?」 「吉田三五郎、白石治右衛門、二人....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
までが実に気味のわるいほどいんぎん鄭重なのです。 「主人は火急の御用向にて只今御
登城中にござりまするが、お出かけぎわにお言いのこしなされたとのことでござりました....
「青春論」より 著者:坂口安吾
した。丁度藩邸が普請中で、建物は出来たがまだ庭が出来ていなかった。ところが殿様が
登城して外の殿様と話のうちに、庭ぐらい一晩で出来る、とウッカリ口をすべらして威張....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
態度を持った、気味のよくない侍であった。主人田沼主殿頭なのである。「私はな、日々
登城して、国家のために苦労いたし、一刻として安き時はござらぬ。ただ退朝して我が家....
「おせん」より 著者:邦枝完二
あかりをつけて寝てるなんざ、どっちにしても不用心だぜ。おいらだよ。松五|郎様の御
登城だよ」 「もし、親方」 突然、隣の女房おたきの声が聞こえた。 「ねえお上さ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
されて、松平忠明が代って姫路に入城することになった。忠明がそのおん礼として江戸に
登城すると、将軍家光はそっと言い聞かせた。 「姫路の城には天主閣があるそうじゃが....