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登楼
「登楼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
登楼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「チャンス」より 著者:太宰治
あるのだ。いや、本当にこれは、事実談なのである。図に乗ってまくし立てるようだが、
登楼《とうろう》して、おいらんと二人でぐっすり眠って、そうして朝まで、「ひょんな....
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
わったが、よく/\御縁がねえのだ、明日《あす》の晩は半纒を打殺《ぶちころ》しても
登楼《あが》らねえじゃア気がすまねえや」 ○「素敵に逆上《のぼせ》ていアがるわ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ぶらりと二廻りしてしまったのが丁度四ツ半下り、――流連《いつづけ》客以外にはもう
登楼もままならぬ深夜に近い時刻です。わびしくくるりと一廻りした主水之介は、そのま....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
も、結婚したての細君を連れて、芳原を冷かして、格子で馴染の女に逢って、 (一所に
登楼るぜ。)と手を引いて飛込んで、今夜は情女と遊ぶんだから、お前は次の室で待って....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て》を並べ、玄関には三太夫のような刀架《かたなかけ》が残塁《ざんるい》を守って、
登楼の客を睥睨《へいげい》しようというものです。 恐る恐る座敷へ通って見ると、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、この爛酔の酒も、この席で飲まされたものではなく、どこかで飲んで、それからここへ
登楼したのか、投げ込まれたのか知らないが、いずれにしても遊興の体《てい》ではなく....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
聞いていると、どうやらこの楼《うち》へ直接談判《じかだんぱん》をして、この一隊が
登楼しようとする。店ではなんとか言葉を設けて、それを謝絶しようとしているものらし....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
て、懐の有無により大小の料理屋へ行って酒を飲み芸者を呼ぶ。また吉原や深川や品川へ
登楼もする。そうして帰って来て気焔を揚げるのが誇りという風であった。私の入寮後間....
「今戸心中」より 著者:広津柳浪
吉里が呼んで、三日にあげず善吉は来ていた。十二月の十日ごろまでは来たが、その後は
登楼《あがる》ことがなくなり、時々|耄碌頭巾《もうろくずきん》を冠《かぶ》ッて忍....
「雨」より 著者:織田作之助
のため花火は揚らなかったが廓の創立記念日のことであるし、なんぞええことやるやろと
登楼を薦めた。むろん断ったが、十八にもなってと嘲られたのがぐっと胸に来て
登楼った....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
う店は一軒もない。小田原で顔を知られていないのを幸い、お客になりすまして式根楼へ
登楼し、一番お人よしでお喋りらしい妓を選んでさりげなく楼主のことをききだしてみる....
「四月馬鹿」より 著者:織田作之助
平気で泊った。どんなに汚ないお女郎屋へも泊った。いや、わざと汚ない楼をえらんで、
登楼した。そして、自分を汚なくしながら、自虐的な快感を味わっているようだった。 ....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
の坊さんの服装で」 すると僧は少し心配そうな顔になり ――はあ、この服装では
登楼さして呉れませんかな」 ――いや、そうじゃあ、ありませんが、だいぶ勇気がお....
「旗岡巡査」より 著者:吉川英治
て、細目に開けた大戸の隙から手招きしている鼠鳴きに呼び込まれ、そのままふらふらと
登楼ってしまった。 ――それから、部屋へわかれて、権十もつい深く眠ってしまった....
「雨」より 著者:織田作之助
らなかったが、飛田遊廓創立二十周年記念日のことであるし、何んぞえゝことあるやろと
登楼をすゝめた。勿論断ったが、十八にも成ってと嘲けられたのがぐっと胸に来て
登楼っ....