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白む
「白む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
に、疲《つかれ》が酷《ひど》いから、心《しん》は少しぼんやりして来た、何しろ夜の
白むのが待遠《まちどお》でならぬ。
そこではじめの内は我ともなく鐘の音の聞える....
「癩」より 著者:島木健作
ようやく飛べるようになり、夏の盛りにはそれはおびただしい数にふえていた。暁方空の
白むころおいと、夕方夕焼けが真赤に燃えるころおいには、それらのおびただしい雀の群....
「芽生」より 著者:島崎藤村
渇《かわき》の為に、枕元にある金盥《かなだらい》の水までも飲もうとした。私は空の
白むのを待兼ねて、病児を家内に託して置いて、車で皆川医学士を迎えに行った。まだ夜....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
いう時などには随分はげしき労働も見るほどに苦しいものではない。朝夕忙しく、水門が
白むと共に起き、三つ星の西に傾くまで働けばもちろん骨も折れるけれど、そのうちにま....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
か? 酒姫よ! さあ、早く酒盃を持て、今宵も過ぎて行くよ! 114 東の空の
白むとき何故※が 声を上げて騒ぐかを知っているか? 朝の鏡に夜の命のうしろ姿が ....
「春の上河内へ」より 著者:板倉勝宣
少しの間燃して暖をとって無理に寝た。 三月二十三日。四時に起きて、焚火して夜の
白むのを待った。乗越は星の下に白く見えた。淋しい谷に、チッチロという鳥の声を聞い....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
しぶきをあげてとびこむ。 「さあ、元気を出して漕ぐんだ。あと二時間もすれば、夜が
白むだろう」 事務長は、大きなこえで、一同に元気をつけた。そのときであった。 ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
着いて、黒塀を去きなさいます。…… その事は言わぬけれど、明方の三時から、夜の
白むまで垢離取って、願懸けすると頼んだら、姉さんは、喜んで、承知してくれました。....
「鹿狩り」より 著者:国木田独歩
までこの家で休息することにして、一同はその銃をおろすなど、かれこれくつろいで東の
白むのを待った。その間僕は炉のそばに臥そべっていたが、人々のうちにはこの家の若い....
「勉強記」より 著者:坂口安吾
なおしてしまうのである。どうも悟りをひらかないてあいというものは仕方がない。夜の
白むのも忘れて喋り、翌日は、酒ものまずに、ふつかよいにかかっている。 ところが....
「探偵の巻」より 著者:坂口安吾
に驚き、「吹雪物語」もうつちやらかして、悦に入つて手紙の山を読みほぐし、遂に夜の
白むのも忘れてしまふといふていたらくであつた。 「先生、てがかり、おまへんか」と....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
ムシャラに斬ってなどかかる筈はない。(俺は、狂人を相手にしていたのか)頼母は、鼻
白むような思いがしたが、 「ご乱心とはお気の毒な。していつ頃から?」 「五年前の....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
たりこっちへ行ったりして文麻呂様をお探し申しました。……ようやく、あれはもう東の
白む暁方頃でございましたろうか、……旦那様、手前、文麻呂様があの鹿ヶ|谷にあるお....
「赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
え天王寺から引きあげた。 * 一方宇都宮治部大輔公綱は、東の空の
白むと見るや、七百余騎を引率し、天王寺さして驀地に押し寄せ、古宇都の民家へ火をか....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
鶏が啼く。ウトウトしながらも、二時三時と一つも聞き洩さずに一夜を過した。 窓が
白む。ランプが消される。囲炉裡からは白い煙が立つ。一同が起きた。昨夜と同じく、榾....