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白やか
「白やか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白やかの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ぱらぱらに鬢が乱れて、面影も痩せたように、口のあたりまで振かかるのを掻い払うその
白やかな手が、空を掴んで悶えるようで、(乳母来ておくれ。)と云った声が悲鳴のよう....
「海異記」より 著者:泉鏡花
、姉さんかぶりを軽くして、襷がけの二の腕あたり、日ざしに惜気なけれども、都育ちの
白やかに、紅絹の切をぴたぴたと、指を反らした手の捌き、波の音のしらべに連れて、琴....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
、舐るわ!鼻息がむッと掛る。堪らず袖を巻いて唇を蔽いながら、勢い釵とともに、やや
白やかな手の伸びるのが、雪白なる鵞鳥の七宝の瓔珞を掛けた風情なのを、無性髯で、チ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
明の寝顔も、また悪く明るい。 「貴下、寝冷をしては不可ません。」 寝苦しいか、
白やかな胸を出して、鳩尾へ踏落しているのを、痩せた胸に障らないように、密っと引掛....
「女客」より 著者:泉鏡花
一 「謹さん、お手紙、」 と階子段から声を掛けて、二階の六畳へ上り切らず、欄干に
白やかな手をかけて、顔を斜に覗きながら、背後向きに机に寄った当家の主人に、一枚を....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
代の女房の色っぽいのが、長火鉢の帳場奥から、寝乱れながら、艶々とした円髷で、脛も
白やかに起きてよ、達手巻ばかり、引掛けた羽織の裏にも起居の膝にも、浅黄縮緬がちら....
「「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
足でかるく歩きまわって居たり草はみどりの葉の間に五色の花をつけて家の色はその間に
白やかばに春の日光の中に光って居る。そうしたようなどことなくものめずらしい景色は....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
―ないのだが、見ただけでなよやかで、盥に力を入れた手が、霞を溶いたように見えた。
白やかな膚を徹して、骨まで美しいのであろう。しかも、素足に冷めし草履を穿いていた....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
て、玉を伸べたる襟脚の、手で掻い上げた後毛さえ、一筋一筋見ゆるまで、ものの余りに
白やかなるも、剃刀の刃の蒼ずんで冴えたのも、何となく、その黒髪の齢を縮めて、玉の....