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白兎
「白兎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白兎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
そうな低い笑い声が聞えました。 自分が、ドアを細くあけて中をのぞいて見ますと、
白兎の子でした。ぴょんぴょん部屋中を、はね廻り、親子はそれを追っていました。 (....
「温泉」より 著者:梶井基次郎
しめよ! この家はこの娘のためになんとなく幸福そうに見える。一群の鶏も、数匹の
白兎も、ダリヤの根方で舌を出している赤犬に至るまで。 しかし向かいの百姓家はそ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、涼しく、気高く、歌口を―― 木菟が、ぽう、と鳴く。 社の格子が颯と開くと、
白兎が一羽、太鼓を、抱くようにして、腹をゆすって笑いながら、撥音を低く、かすめて....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
という中国人のことなどはよく知らないのですが、しかしお月様の中に棲んでいるという
白兎が、ピョンと一|跳ねして、私の足許へ飛んできそうな気がしました。 「だが向う....
「鷲」より 著者:田中貢太郎
、某日そのかんかん岩へ遊びに往って、天狗に投げられたと云って頭の怪我を見せて、「
白兎が、早う返れ返れと云うてくれたと云うが、俺には見えざった」と、云ったのを覚え....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
た。 「それがあるから不思議だ、まず古いところでは、古事記にある因幡《いなば》の
白兎の例を見給え」 と言って主張するものは、大国主神《おおくにぬしのかみ》が鰐《....
「病院風景」より 著者:寺田寅彦
、あれは嘘らしい。 廊下の東詰の流しの上の明かり窓から病院の動物小屋が見える。
白兎やモルモットらしいものが檻の中に動くのが見える。これらの動物は、神経を切られ....
「道連」より 著者:豊島与志雄
燭の燃えつきかけてるのも気にならなくなった。 後でそのことを話すと、母はそれを
白兎だろうと云った。然し僕は白狐だったと云い張った。実際今でも白狐だったと思って....
「兎と猫」より 著者:井上紅梅
わたしどもの裏庭の奥に住んでいる三太太《サンタイタイ》は、夏のうち一対の
白兎を買取り、彼の子供等の玩具《おもちゃ》にした。 この一対の
白兎は乳離れがし....
「朱欒の花のさく頃」より 著者:杉田久女
ごという牛若丸のような髷にいつも結ってもらって友禅の被布をきておとぎ文庫の因幡の
白兎や、松山鏡を読みふけり乍ら盆の蜜柑をしきりに飽食する少女だった私は、南国とい....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ので軽くたたくと、鳩がパタパタと飛び立った。観客は喝采した。 「今度は兎ちゃん。
白兎が出るのよ」 とすみ子がしゃべった。 「駄目、黙ってらっしゃい。言ってしま....
「春」より 著者:竹久夢二
へ向けるようにあせりながら)「おじさん兎の毛は白いんでしょう」 猟人「ああ、その
白兎、
白兎」 少年「耳が長いでしょう、おじさん」 猟人「そうそう耳が長いね」 猟....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
両手でギュッと自分の胸をしめつけました。 寝間着《ピジャマ》を着たボクさんが、
白兎《しろうさぎ》のように穴から飛び込んできました。あたしは、赤ん坊のように両手....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
駆を務めるのは、長い喇叭《コルネット》を持った凛々しき六人の騎士、その後に続くは
白兎の毛で縁取りした、空色の天鵞絨《びろうど》の長マントオを着、王冠を冠った「|....
「古事記」より 著者:太安万侶
教えた通りにしましたから、その身はもとの通りになりました。これが因幡《いなば》の
白兎というものです。今では兎神といつております。そこで兎が喜んで大國主の命に申し....