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「白堊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

白堊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
梓川の上流」より 著者:小島烏水
青く、水面より露われたるは、黒胡麻の花崗石《みかげいし》も銷磨《しょうま》して、白堊《はくあ》のように平ったく晒《さら》されている、しぶきのかかるところ、洗われ....
城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
。 今、空は悲しいまで晴れていた。そしてその下に町は甍《いらか》を並べていた。白堊《はくあ》の小学校。土蔵作りの銀行。寺の屋根。そしてそこここ、西洋菓子の間に....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
っきりとは見えないし、水の上に割合に高く現われている船の胴も、木の色というよりは白堊のような生白さに見えていた。そして不思議な事には、波の腹に乗っても波の背に乗....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
めた。 藍碧の海をへだてて長く突出した緑色の岬の端には、眼の醒めるような一群の白堊館が、折からの日差しに明々と映えあがる。向って左の方に、ひときわ高くあたかも....
天馬」より 著者:金史良
さ》そうに立ち止って彼の姿を眺めていた。くそ忌々しいと彼は再び口に出して呟いた。白堊建の大きな朝鮮人経営の銀行前を通って、いつの間にか鐘路四辻の方へ近附いて来た....
不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
から十ヶ月経った。 時|正に一九四一年二十三月であった。 ここはワシントンの白堊館の地下十二階であった。その一室の中で大統領ルーズベルトのひびのはいった竹法....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
六千九百九十九キロを平均時速八百キロで飛んで、八時間と四十五分。飛行場から直ちに白堊館まで自動車で搬んで大統領に謁見するとしてその時間が十五分。合計|丁度十時間....
人造人間事件」より 著者:海野十三
ブラブラ歩いていた。暗い雨空を見あげると、天国の塔のように高いサンタマリア病院の白堊ビルがクッキリと暗闇に聳えたっているのが見えた。このあたりには今も明治時代の....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
きの苦しさに、ほとんど前後を忘じたが、あとで注意すると、環海ビルジング――帯暗|白堊、五階建の、ちょうど、昇って三階目、空に聳えた滑かに巨大なる巌を、みしと切組....
怪しの館」より 著者:国枝史郎
た、床の氈が明るんでおり、同じ色をした窓掛けが、そのひだにかげをつけており、高い白堊の天井の、油絵の図案を輝かせている。――というまでに過ぎなかった。 とはい....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
幅の狭い曲りくねったドーヴァーの町は、海の駝鳥のように、浜辺から隠れて、その頭を白堊の断崖の中に突っ込んでいた★。浜辺は山なす波浪と凄じく転げ※って海の方を眺め....
光は影を」より 著者:岸田国士
越線の沓掛駅から千ヶ|滝行というバスが出ている。バスの終点は丘の中腹に建てられた白堊のホテルの門前だが、それから徒歩で避暑客のためのドライヴ・ウェーを三十分も登....
初雪」より 著者:秋田滋
りや、カンヌの町を三方から囲んで屹立している高い山々に沿うて、数知れず建っている白堊の別荘は、折からの陽ざしをさんさんと浴びて、うつらうつら眠っているように見え....
ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
角は赤煉瓦の塀で取り囲まれた一劃となって、其の塀越しにすっきりと眼もさめるような白堊の軍艦が浮んで見える。軍艦と見えたのは実は軍艦風に建てられた家屋だ。以前景子....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
って平原を行くこと五里、すると岩山の下に金光燦爛たる御殿風の屋根が見えその横には白堊の僧舎が沢山立ってある。それからその間に朱塗の殿堂のようなものも混って居って....