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「白妙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

白妙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
るや無我夢中になってしまって、矢庭《やにわ》に掻き抱こうとした旅塵の掌で、危うく白妙《しろたえ》の斎《いつき》の衣を穢《けが》そうとして、娘に止められて気が付い....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
した室の、患者無しに行抜けの空は、右も左も、折から真白な月夜で、月の表には富士の白妙、裏は紫、海ある気勢。停車場の屋根はきらきらと露が流れて輝く。 例に因って....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
君が行手に雲かかるあらばその雲に 雪積まば雪に問へかしわれを。 君行きて心も冥く白妙に 降るてふ夜の雪｜黝み見ゆ。....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
こそは、信州上田の鬼小姓、笛も吹けば、法螺も吹く、吹けば飛ぶよな横紙を破った数は白妙の、衣を墨に染めかえて、入道姿はかくれもなき、三好清海入道なり」 と、名乗....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
本当はまだ政虎）は紺糸縅の鎧に、萌黄緞子の胴｜肩衣をつけ、金の星兜の上を立烏帽子白妙の練絹を以て行人包になし、二尺四寸五分順慶長光の太刀を抜き放ち、放生月毛と名....
「栃の実」より 著者:泉鏡花
い。」――其処に三人の客にも酒はない。皆栃の実の餅の盆を控えていた。 娘の色の白妙に、折敷の餅は渋ながら、五ツ、茶の花のように咲いた。が、私はやっぱり腹が痛ん....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
お貰い。母さんが血をあげる。」 俯向いて、我と我が口にその乳首を含むと、ぎんと白妙の生命を絞った。ことこと、ひちゃひちゃ、骨なし子の血を吸う音が、舞台から響い....
「湯島の境内」より 著者:泉鏡花
の仮声使、料理屋の門に立ち随意に仮色を使って帰る。 ※｜廓へ近き畦道も、右か左か白妙に、 この間に早瀬｜主税、お蔦とともに仮色使と行逢いつつ、登場。 ※｜往来の....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
袴を穿くと、しらしらと早や旭の影が、霧を破って色を映す。 さて住吉の朝ぼらけ、白妙の松の樹の間を、静々と詣で進む、路の裳を、皐月御殿、市の式殿にはじめて解いて....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
うだったが、そのまま両手で裂くように、水に襟を開いた。玉なめらかに、きめ細かに、白妙なる、乳首の深秘は、幽に雪間の菫を装い、牡丹冷やかにくずれたのは、その腹帯の....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
恐れをなすのに――ここも一種の鉄枴ヶ峰である。あまつさえ、目に爽かな、敷波の松、白妙の渚どころか、一毛の青いものさえない。……草も木も影もない。まだ、それでも、....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、傍に忍びてやりすごし、尚も人なき野中の細道、薄茅原、押分け押分け、ここは何処と白妙の、衣打つらん砧の声、幽にきこえて、雁音も、遠く雲井に鳴交わし、風すこし打吹....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
るうちに数が殖えて、交って、花車を巻き込むようになると、うっとりなすった時、緑、白妙、紺青の、珠を飾った、女雛が被る冠を守護として、緋の袴で練衣の官女が五人、黒....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
氷に辷り、雪を抱いて来なすって、伏拝んだ御堂から――もう高低はありません、一面｜白妙なんですから。（今戻ったぞ、これの、おお、この寒いに、まだ石碑さえ立てないで....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
私はその様を見て一首を口吟みました。 白雪をなげつゝ童ゆきあひて 雪｜白妙にゆきつとけつゝ で立って見て居りますと後の方から大の男が一人やって来ま....