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白州
「白州〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白州の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「皮膚と心」より 著者:太宰治
です。これは、なんといっても、痒さにまさる苦しみはございますまい。私がもし昔のお
白州《しらす》で拷問かけられても、切られたり、ぶたれたり、また、くすぐられたり、....
「富士」より 著者:岡本かの子
踏んで翁はとぼとぼと辿《たど》って行った。海上の霧のうすれの明るみに松の生え並ぶ
白州の浜が覗かれた。翁は島かとも見るうちにまた霧に隠れた。 その日の夕近く、翁....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
むのがそのならわしでした。もっとも、その間になにか珍しいお吟味でもあるときは、お
白州に出向いていって、にこりともせず玉川じゃりを見つめていることもあるにはありま....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
まの大きなからだをがばとそこへ折り曲げると、右門のほうを伏し拝むようにしながら、
白州の砂礫《されき》にしみるほどな大粒の涙をぼろぼろとはふり落としました。 し....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
強くなった伝六になわじりをとらして、さっそうとしながら引き揚げてまいりました。お
白州へかけるまでもなく、一団は右門のいったとおりのにせ金使いで、のみならず火にか....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
はおひろいで、それぞれ父親同道のもとに江戸美人たちが、ぞろぞろと名人係り吟味のお
白州へ出頭いたしました。かりにこれが尋常普通のあまりおきれいでない女性であったに....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
すのも、みんなこの招きねこのせいでございますよ。ほかにご不審がございましたら、お
白州へでも、ご番所へでも、どこへでも参ります。なんならただいまお供いたしましても....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
上の怪談に続いていたから、まだまだ、万事は休さなかった。しょっぴいてきた若者をお
白州へ引きすえて、大得意の敬四郎がぴしぴしと痛み吟味をかけているさいちゅうへ、そ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
大将のことだから、さんざん水責め火責めの拷問をやったんで、虫の息になりながら、お
白州にぶっ倒れているんですがね。ところが、伝六あにいとんだ眼《がん》ちげえをやっ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
春でない。――日ざしもまどろむ昼さがり、南町奉行所《みなみまちぶぎょうしょ》奥大
白州では、今、与力、同心、総立ち合いの大吟味が開かれようとしているのです。 罪....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ほおづえつきながら、わびしく降りつづけている表の雨を見ながめていると、隣二番のお
白州、これが右門とは切っても切れぬ縁の深いあばたの敬四郎の吟味席でした。その二番....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
きが全部すんでから、また改めて皆にお呼び出しがあり、一同|不機嫌のふくれつらでお
白州にまかり出ると、板倉殿はにこにこ笑い、 「いや、このたびは御苦労であった。太....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
前にふさいだ新しい石を、その白さでなお見分けることができていた。法廷は一人の男を
白州に引き立てた。その男はアルトア伯爵がノートル・ダーム寺院にはいってゆくのを見....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
けるちうものだ。 もう少し、きびしくいましめる、逃がしてはならん。 奉行所の
白州へ引き立てたのである。吉野雀右衛門は、一切の経過を聞いてから、下僚と共に
白州....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
で、その血を受けたツルもまた動かない信仰をもっていました。彼女は十八日間毎日毎日
白州に呼び出されましたが、その信仰は微動だにしない。ツルは役所の庭の石の上に座ら....