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白日夢
「白日夢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白日夢の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乞食学生」より 著者:太宰治
なん、と呶鳴るようにして歌った自分の声が、まだ耳の底に残っているような気がする。
白日夢。私は立上って、茶店のほうに歩いた。袂《たもと》をさぐってみると、五十銭紙....
「夢鬼」より 著者:蘭郁二郎
もあったかのように幾度も幾度も呟き続けていた。 また、見られるであろうあの空の
白日夢。俺は、こんどどんな幻を見るだろう……。 (もしかすると、葉ちゃんと俺とが....
「新樹の言葉」より 著者:太宰治
げますから、ね。」 ひとり豆腐屋の軒下に、置き残され、私は夢みるようであった。
白日夢。そんな気がした。ひどくリアリティがない。ばかげた話である。とにかく、銭湯....
「花のたより」より 著者:宮本百合子
社会に天降った侯爵令嬢良子が、つつがなく再び天上したからには、総てはあの時ぎりの
白日夢とし、東郷侯爵家というもののまわりは又〔七字伏字〕閉ざされたかの如き感じを....
「死者の書」より 著者:折口信夫
、見る見る、数千地涌の菩薩の姿が、浮き出て来た。其は、幾人の人々が、同時に見た、
白日夢のたぐいかも知れぬ。....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
学的の発見の進行がそういう奇跡の可能性を少しも暗示しない前から、私はもう、愛する
白日夢として、この二要素の分離という着想を好んで考えるようになっていた。私はこう....
「理想の女」より 著者:豊島与志雄
方には軽くはしゃいでる感情もあった。滑稽なおどけた感情もあった。そしてそれらを、
白日夢の惑わしい気分が包んでいた。私は自分自身がよく分らなかった。秀子は私に一言....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
……いややはり夢だよ。」 「おかしいですわね、眼をあいてて夢をみるなんて。」 「
白日夢ってね。」 「あら……ひどいわ。人が本気で心配してるのに冗談なんか云って。....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
、見る見る数千の地涌の菩薩の姿が、浮き出てきた。それは幾人の人々が、同時に見た、
白日夢のたぐいかも知れぬ。」 迢空さんの美しい文章はいつまでもその書を読むもの....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
もあるが、潜在した知識を扱うのだから、其とは別だろう。が元々、覚めていて、こんな
白日夢を濫書するのは、ある感情が潜在しているからだ、と言われれば、相当病心理研究....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
の大策を、お持ちあるのか」 「やんぬる哉、世の辛きを御存知ないのだ。これが貴人の
白日夢でなければまあ倖せだが」 その上にも、おなじ東大寺中でも、西院の主僧、顕....