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「白昼夢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

白昼夢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俘囚」より 著者:海野十三
ことは睡ったが、恐ろしい夢を、幾度となく次から次へと見た。――不図《ふと》、その白昼夢《はくちゅうむ》から、パッタリ目醒《めざ》めた。オヤオヤ睡ったようだと、気....
江戸川乱歩氏に対する私の感想」より 著者:夢野久作
思い思いした事でした。 ところが、私のこうした乱歩氏に対する失望感は、同氏の「白昼夢」を読むと同時に、あとかたもなく引っくり返ってしまったのでした。 それは....
現代文学の広場」より 著者:宮本百合子
日常生活のふち飾りと化して、現実の生活では見たこともないのびやかな生活の語られる白昼夢のようなものにしてしまうことをいとっていない。むしろそれに拍車をかけている....
白銀の失踪」より 著者:ドイルアーサー・コナン
て、 「御免下さい」 と、呆気にとられて顔を見つめていたロス大佐に向って、 「白昼夢を見ていたもんですからつい」 と弁解したが、その眼には一種の輝きを帯び、....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
し得なかったのである。 法水は、しばらく相手の顔を凝っと眺めていたが、こうして白昼夢を追い、狂いの道程を辿りつつある儀右衛門を見ると、もはや放ってはおけなくな....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
狂だ。『朽ちる糧のために働かずに、永生の糧のために働け』という。これこそ妄想狂の白昼夢だ。永生とは一体何だろう? 生命ある物はきっと死ぬ。永存する物は無生物だけ....
岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
下は廻り持ちだ。天子になれないものでもない」 こんな事を考えた。 詩人特有の白昼夢とも云えれば、※儻不羈の本性が、仙骨を破って迸しったとも云えた。 意気|....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
れた風土の楽しさを今からなんとなく想わせます。この前兆の風に焚きつけられて、僕の白昼夢はいよいよ熱して鮮かになっています。極地は氷雪と荒廃の占めるところだと思い....
愛読作家についての断片」より 著者:平林初之輔
手にはいったものは必ず読むにきめているのはこの人だけではあります。「赤い部屋」「白昼夢」等における、感覚や想像力の異常性は、――少々奥行が乏しく、かつ仕上げのと....
乱歩氏の諸作」より 著者:平林初之輔
江戸川乱歩氏の作を『新青年』所載「悪夢」と「孤島の鬼」と二つ読んだ。 「悪夢」は氏の旧作「白昼夢」などとともにグロテスクをねらった作品である。四肢も耳も口もつぶれて、肉塊....
探偵小説壇の諸傾向」より 著者:平林初之輔
ずに組み立てていったものだと、その点にはほとほと感心する。 「踊る一寸法師」は「白昼夢」などとともに、ポー張りの怪奇談であって、やはり骨を折ったものであり、恐ら....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
と、狐につままれたように、そこに佇んでいました。ただガヤガヤと目眩しく雑踏して、白昼夢のように取り留めもない騒がしさばかりです。 姿を見失った淋しさは、食い入....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
微笑を禁じえなかった。かつてヘルキュレスとハイラスの物語を読んだとき、彼女は一種白昼夢のなかの半意識で、あの異教徒的な男性の持つものに魅惑されたと思いはしなかっ....
軽井沢にて」より 著者:正宗白鳥
でも空想の中では、どんなにでも楽しんでいられる。源氏の巻々は「満紙荒唐言」であり白昼夢の物語の連続なりと雖も、人間の心の中に分け入ったら、充足《みちた》りない薄....
小説のタネ」より 著者:吉川英治
遊べるからすぐ空想に入るんです。つまり仏典でいう末那識の境になるんですね。まあ、白昼夢でしょうな、それで救われてましたがね。やがて、そのドックで落ちて一ヵ月余入....