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白木蓮
「白木蓮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白木蓮の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
ら、父の差別が子の差別に多少でも反映していないとも限らないと考えられるのである。
白木蓮は花が咲いてしまってから葉が出る。その若葉の出はじめには実にあざやかに明る....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
のであった。
障子に日がさして来た。障子を明けると、青空に映る花ざかりの大きな
白木蓮が、夜来の風雨に落花狼藉、満庭雪を舗いて居る。推参の客は主翁に対して久しぶ....
「我に叛く」より 著者:宮本百合子
た。 俥は不思議なほど、のろく思われる。人通りの少ない屋敷町の垣根から差し出た
白木蓮の梢や新芽を吹いた樫の下枝が、天気のよい碧空の下で、これはまた美しく燦めい....
「南風」より 著者:宮本百合子
らいなあの紅い椿も、今日は、うるんだ色に見えて居るし、高々と、空の中に咲いて居る
白木蓮の花が、まぶしい。 私の体のまわりに一時きに春が迫った様な感じがする。 ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
たら、三日休業になってしまいました。きょうはすっかり春めいて太郎は庭で土いじり。
白木蓮の花がさき丁字の花がにおって私は久しぶりに外へ出て柔かい庭の土を歩きました....
「白木蓮」より 著者:豊島与志雄
真白な木蓮の花が活けてある。――ほのかな香りが漂ってくるのは、香炉からではなく、
白木蓮の花からだった。 「あれ、喜美ちゃんが持って来たの?」と私は尋ねた。 喜....
「天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
いては居りませんでしたが金糸桃の花は家々の園で黄金のような色を見せ夢のように仄な
白木蓮は艶かしい紅桃と妍を競い早出の蝶が蜜を猟って花から花へ飛び廻わる――斯う云....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
がめる犬の吠え声が、猛々しくひとしきりとなった。
一軒のお長屋の土塀を越して、
白木蓮の花が空に向かって、馨ばしい香いを吐いている。
くもるとも
なにかうらみ....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
粉米桜《こごめざくら》や連翹《れんぎょう》や金雀枝《えにしだ》や辛夷《こぶし》や
白木蓮の枝々を透してキラキラ朝日がかがやきそめてきていた。有耶無耶《あるかなきか....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
は。」 「寂しいとこ行きたい、誰も居やはらんとこ大好きどす。」すかし幌の裡から、
白木蓮のような横顔なのです。 「大事ないどすやろえ、お縁の……裏の処には、蜜柑の....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
ている。カラハシは勿論カラコキバシの省略で、あたかもツルウメモドキをツルモドキ、
白木蓮を白蓮と謂うのと同様の変化である。カラとはすなわち新種改良品のことで、農具....