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白桃
「白桃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白桃の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
う、川下《かわしも》へ流れて出ましたら、村里の者が何といって見ましょうね。)
(
白桃《しろもも》の花だと思います。)とふと心付いて何の気もなしにいうと、顔が合う....
「草枕」より 著者:夏目漱石
はがあがあと鳴いて川の中まで出て来る。 柳と柳の間に的※《てきれき》と光るのは
白桃《しろもも》らしい。とんかたんと機《はた》を織る音が聞える。とんかたんの絶間....
「笑う唖女」より 著者:夢野久作
々とした、新しい四目垣《よつめがき》の内外には邸内一面の巴旦杏《はたんきょう》と
白桃と、梨の花が、雪のように散りこぼれている。その玄関に打ち違えた国旗と青年会旗....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
躇した。そのうち二月も過ぎて、娘のお春の節句が来た。小幡の家でも雛を飾った。緋桃
白桃の影をおぼろにゆるがせる雛段の夜の灯を、お道は悲しく見つめた。来年も再来年も....
「斯ういう気持」より 著者:宮本百合子
絵の壺にさして椽側の籐卓子に飾った。外光に近く置かれると、ほんのり端々で紅らんだ
白桃の花は、ことの外美しかった。彼等は平和に其を眺め乍ら茶をのんだ。 五時頃、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
よ。東京につくのが七時半だから、もし誰か迎えに来ていたらカバンと岡山の駅で買った
白桃のカゴをもたせてかえして、私は一寸池袋から降りてまわってしまおうかしらと考え....
「葛飾土産」より 著者:永井荷風
、梨、粟、枇杷《びわ》、蜜柑《みかん》のたぐいに過ぎなかった。梨に二十世紀、桃に
白桃水蜜桃ができ、葡萄や覆盆子《いちご》に見事な改良種の現れたのは、いずれも大正....
「三国志」より 著者:吉川英治
を思い出してしまった。 で、つい答えを忘れて、何となく眼をあげると、眼の前へ、
白桃の花びらが、霏々と情あるもののように散ってきた。 「劉備や。皆さんも、もうお....