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「白歯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

白歯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も評判の容貌《きりょう》好しであるが、どういうわけか縁遠くて、二十六七になるまで白歯《しらは》の生娘《きむすめ》であった。それがために兎角よくない噂が生み出され....
婦系図」より 著者:泉鏡花
しだな、お前ン許のは。」 「あんな事ばかり云って、」 と、主税を見て莞爾して、白歯を染めても似合う年紀、少しも浮いた様子は見えぬ。 それから、小芳は伏目にな....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
って来る。黐棹を槍に構えたものの進退|谷まったと云わなければならない。 武士は白歯を覗かせてニッとばかりに笑ったが左右なく上っても行かないのは黐棹の先が渦巻き....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
命、仰向かしった枕をこぼれて、さまで瘠せも見えぬ白い頬へかかる髪の先を、しっかり白歯で噛ましったが、お馴染じゃ、私が藪の下で待つけて、御新造様しっかりなさりまし....
縁結び」より 著者:泉鏡花
と私の頸へ落ちた。」 と見ると手巾の尖を引啣えて、お君の肩はぶるぶると動いた。白歯の色も涙の露、音するばかり戦いて。 言を折られて、謙造は溜息した。 「あな....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
、勉めて忍びし鬱憤の、幾十倍の勢をもって今満身の血を炙るにぞ、面は蒼ざめ紅の唇|白歯にくいしばりて、ほとんどその身を忘るる折から、見遣る彼方の薄原より丈高き人物....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
と掉って近づき、お伽話の絵に描いた外科医者という体で、震く唇に幽に見える、夫人の白歯の上を縫うよ。 浦子の姿は烈しく揺れたが、声は始めから得立てなかった。目は....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
黄金幾枚つけようと、返すものかア、返すものかア! オイ!」と云うとヒョイと進み、白歯を剥いて笑ったが、それから尚も云い続けた。「と云うのは他でもねえ、この人形の....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
忘れないで、何時までも、何時までも、」 と言い言い抜き取った草の葉をキリキリと白歯で噛んだ。 トタンに慌しく、男の膝越に衝とのばした袖の色も、帯の影も、緑の....
決闘場」より 著者:岡本かの子
金髪に調和する褐色のツウィードの服で包んで居る。時々女のおどけた調子に、にやにや白歯を出して微笑しながら、ジョーンは体を真直ぐにして歩るいて行く。 ワルトンは....
雪柳」より 著者:泉鏡花
、いささかも焦躁苦悶の面影がない。弱々と肩にもたせた、美しい鼻筋を。……口を幽に白歯を見せて、目を※いたまま恍惚している。 それを、上目づかいの頤で下から睨上....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
は友だちだろうね。」 つい聞入って真顔で答えた。振袖は、島田の鬢をゆらゆらと、白歯で片頬笑をしているのに。―― 鬢のほつれに顔はなお白い。火沙汰に丘を駆けた....
魔法の笛」より 著者:楠山正雄
る あれあれごらん、 黄金のかみの毛 まっ赤なほぺた、 水晶のまなこ しんじゅの白歯、 かわいざかりの 男と女、 町の子どもは 皆あつまった。 男はさっさと あ....
活人形」より 著者:泉鏡花
に打たれなば、消えもやせんと見えけるが、今泰助等を見たりし時、物をも言わで莞爾と白歯を見せて笑める様は、身の毛も弥立つばかりなり。 人々ものを言いかくれど、答....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
若い腰元のおあんを塗っているのであります。 将卒たちは自分が取って来た敵の首が白歯のままであるとそれは敵軍の士卒の首であることが判るので、おはぐろを塗って貰っ....