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白波の
「白波の〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白波のの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
とめた足を動かして手欄《てすり》に近づいてそれを見渡した。オレゴン松がすくすくと
白波の激しくかみよせる岸べまで密生したバンクーバー島の低い山なみがそこにあった。....
「富士」より 著者:岡本かの子
真間の小菅を踏み、箱根の嶺《ね》ろのにこ草をなつかしみ寝て相模《さがみ》へ出た。
白波の立つ伊豆の海が見ゆる。相模|嶺《ね》の小嶺《おみね》を見過し、真砂|為《な....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
海の面《おもて》に湧き上る、金銀の波雲の波、 蹴立て蹴立てて行く末は、あと
白波の沖の方、 あれあれ見えなくなりました……」 藍丸王は又もやこの歌に聞き....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の雑木山は、秋まだ浅くして、見る可き色もない。眼は終に川に落ちる。丁余の上流では
白波の瀬をなして騒いだ石狩川も、こゝでは深い青黝い色をなして、其処此処に小さな渦....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
から巌へ、中洲の大巌で一度中絶えがして、板ばかりの橋が飛々に、一煽り飜って落つる
白波のすぐ下流は、たちまち、白昼も暗闇を包んだ釜ヶ淵なのである。 そのほとんど....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
がな》われることがある。火刑や難破のおりなどには、人は偉大となることがある。炎や
白波の中においては、崇高な態度も取られる。そこでは滅没しながら偉大な姿と変わる。....
「田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
ず、なぎさに打上げられた。それは春の日のことで、霞める浦輪《うらわ》には、寄せる
白波のざわざわという音ばかり、磯の小貝は花のように光っている閑《のど》かさだった....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
沖にさしかかった時、見下すと、昭和遊撃隊の三隻が、小さく美しい単縦陣をつくって、
白波の尾をひきながら進んでいる。 「まるで絵のようね。美しい凱旋だわ。」 ※代....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
を聞いていました。―― 可恐しい荒海らしい、削立った巌が、すくすく見えて、沖は
白波のただ打累る、日本海は暗いようです。黒島を立って、剣地、増穂――富来の、これ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
の屋根は、会下山から直線距離で十数町、蓮池からでは南へ六、七町、いちめんな磯松と
白波のあたりにたしかめられる。 正成は、語気をこめて。 「見よ正季、かしこに、....
「アイヌ宗教成立の史的背景」より 著者:知里真志保
ぶ庭があり、またその庭の傍には、“カイカイ・ウン・ト”(kaykay-un-to
白波の立つ沼)という神秘な沼があって、そこには海の鳥や魚や貝が住み、コンブやワカ....