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白濁
「白濁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白濁の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
ものであるが、尖には乳首の形もあった。これに伝わって滴る雫は、霊晶の石を溶し来て
白濁し、人間の母が胸から湧かすところの乳の雫そのままであった。 若い獣神はいう....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
渾沌未分………… 小初がひたすら進み入ろうとするその世界は、果てしも知らぬ
白濁の波の彼方の渾沌未分の世界である。 「泳ぎつく処まで……どこまでも……どこま....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
両側の商店街の強い燭光を射込まれるので、車室の中の灯りは急にねぼけて見える。その
白濁した光線の中をよろめきながら、Mの学生の三四人は訣れて車を降り、あとの二人だ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
。」 「嘘を吐くもんでェねえ。なに美い水があんべい。井戸の水は真蒼で、小川の水は
白濁りだ。」 「じゃあ燭で見るせいだろうか、」 「そして、はあ、何なみなみとある....
「塵埃、空、花」より 著者:宮本百合子
高台寺あたりのしっとりした木下路を想うと、すがすがしさが鼻翼をうつようだ。とかく
白濁りの空の下に、白っぽくよごれた桜が咲いている光景、爛漫としているだけ憂鬱の度....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
変化させてみようというのでもない。動いてはじめて存在が知れたような透明な、しかし
白濁な色を以て、ちょっと身動きをしてみたまでであります。 腕組みを解くと共に、....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
但し身動きも出来ないのである。 やがて短夜が……嬉しや、もう明けそうに、窓から
白濁りの色が注して、どんよりと光って、卓子の上へ飜った、と見ると、跫音が、激しく....
「落日の光景」より 著者:外村繁
衝撃を受ける。慄然という言葉の通り、私の皮膚は総毛立った。その婦人の片方の黒目が
白濁し始めていたからばかりではない。ふと、その顔立が、奇怪なことに、私の亡くなっ....