白煙[語句情報] » 白煙

「白煙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

白煙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
忙しい間にも何かしきりに物をいおうとした時、けたたましい汽笛が一抹《いちまつ》の白煙を青空に揚げて鳴りはためき、船尾からはすさまじい推進機の震動が起こり始めた。....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
二機は互に相手の胴中を噛合ったような形になり、引裂かれた黄色い機翼を搦ませあい、白煙をあげ海面目懸けて墜落してゆくのが見えた。それが遂に最後だった。戯れに恋はす....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
脱ける砲弾、悪魔が大口を開いたような砲弾の炸裂、甲板に飛び散る真紅な鮮血と肉塊、白煙を長く残して海中に墜落してゆく飛行機、波浪に呑まれて沈没してゆく艦艇から立昇....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
と苦悶に歪む。カンカン寅の唇に、薄笑いが浮かんで、手に持ったピストルからスーッと白煙が匍い出してくる。二人の刑事の顔、壮平爺さんの嬉しそうな顔、そして幼な馴染の....
海底大陸」より 著者:海野十三
「おや、大砲みたいなものが出てきたぞ、あぶないッ」 と、いっているとき、パッと白煙が鉄水母の上にあがったと思う間もなく、ドーンと爆音が起こった。とたんに、ヒュ....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
…」 東助は目をみはった。 見よ、行手の海底から何百条何千条というたくさんの白煙が下から上へと立ちのぼっている――いや、白い煙ではなかった、それは柱であった....
超人間X号」より 著者:海野十三
ね」 はたして博士のことばどおり、そのスクリーンの上には、うしろからものすごい白煙《はくえん》をはきだして、青空を横切って飛んで行く、砲弾の形をしたロケットが....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
発するような歓喜を感じた。その瞬間に、彼から、仏天青なる中国人の霊魂と性格とが、白煙のように飛び去った。それに代って、駐仏日本大使館付武官福士大尉の烈々たる気魄....
四次元漂流」より 著者:海野十三
色はいくたびか変り、最後には薬がかかった色の液が白い泡をたてて沸騰し、もうもうと白煙が天井の方まで立昇った。雪子はそれを見ると狂喜してコップを眼よりも上に高くさ....
怪塔王」より 著者:海野十三
た」 さあ一大事です。今の今まで、なんでもなかった青江三空曹の腰のあたりから、白煙がふきだしています。それに気がついたか、青江は綱にぶらさがったまま、しきりに....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
って、一同が後退りをしたその瞬間、がちゃーンという一大音響がして、サッと濛々たる白煙が室内に立ちのぼりました。 「呀ッ――」 私達は壁際にペタリと尻餅をついた....
火葬国風景」より 著者:海野十三
であるというわけだ」 鼠谷仙四郎の醜怪な頬には、ぽッと紅の色がさし昇って来た。白煙に還る 鼠谷仙四郎の饒舌はつづく。 「僕は花山火葬場に長く勤めているうちに....
流線間諜」より 著者:海野十三
ていた「右足のない梟」外二名の男たちは俄かに苦悶の表情を浮べた。とたんに横合から白煙が吹きつけると見る間に、焔がメラメラと燃えだした。そして三人の顔は太陽に解け....
空襲警報」より 著者:海野十三
手近にいた者が駈けだそうとすると、その前に、またつづけさまに三発、ドドドーンと白煙が天に沖する。 「うわーッ、やられたッ……」 と鍛冶屋の大将が叫んだと思う....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
る。燃えしぶっていた焚火が俄に明るく燃え上り、火焔がすさまじい音と共に濠々と立つ白煙を舐め尽して終う。人の輪が少し後ろへ下って、各々の顔に束の間の歓びの情が溢れ....