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白熱
「白熱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白熱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
同様な物足らなさが感ぜられて行った。落ち着くのか冷えるのか、とにかく倉地の感情が
白熱して働かないのを見せつけられる瞬間は深いさびしみを誘い起こした。こんな事で自....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
然しながら個性の完全な飽満と緊張とは如何に得がたきものであるよ。燃焼の生活とか
白熱の生命とかいう言葉は紙と筆とをもってこそ表わし得ようけれども、私の実際の生活....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
台長や主任からも別に怪まれずに居ます。相良氏が舞台へ現われて来て、いよいよ事件は
白熱化したと思いました。私は一生懸命で天文台の職分を守り、又先生の御命令に弁じて....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
々にブクブクと真黒な粘液を噴きだし、コンクリートの厚い壁体は燃えあがるかのように
白熱し、隣りの通にも向いの横丁にも、暑さに脳髄を変にさせた犠牲者が発生したという....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
……われらの敵アドロ彗星は、ただいま八十万キロの後方に迫っています。画面に見える
白熱の光りの塊がそれであります」とアナウンスの声に、三根夫は映写幕に目をうつした....
「火星探険」より 著者:海野十三
りあい、大小さまざまのパイプは魚の腸《はらわた》の如くに見え、紫色に光る放電管、
白熱する水銀灯、呻《うな》る変圧器などが目をうばい耳をそばだてさせる。七八人の人....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
炎は緋鹿子を燃え抜いた。緋の牡丹が崩れるより、虹が燃えるより美しかった。恋の火の
白熱は、凝って白玉となる、その膚を、氷った雛芥子の花に包んだ。姉の手の甘露が沖を....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
が向うの方から大きな声で披露をした。 「鼠の顔、鼠の顔。当った方は、目下読書界に
白熱的人気の焦点にある新進女流探偵小説家(新進だなんて失礼ナ、既成の第一線作家だ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
ら瓜、茄子の畠の覗かれる、荒れ寂れた邸町を一人で通って、まるっきり人に行合わず。
白熱した日盛に、よくも羽が焦げないと思う、白い蝶々の、不意にスッと来て、飜々と擦....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
い話もあったが、聞く内にハッと思ったのは、ある親島から支島へ、カヌウで渡った時、
白熱の日の光に、藍の透通る、澄んで静かな波のひと処、たちまち濃い萌黄に色が変った....
「発明小僧」より 著者:海野十三
敵軍の上に浴びせかかる。何条もってたまるべき、艦も機も敵兵も大感電して、たちまち
白熱する一抹の煙になって……。」 海相「ああ、もうよろしい。」 短波殺人砲 陸....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
俘となって、牽かれゆくままに行動した。 折からの季節は真夏であった。あたりには
白熱の光線が満ち溢れている。その中にあって鶴見の性慾は更に激しく燃えたった。そこ....
「城」より 著者:カフカフランツ
まんなかの机に向かい、心持よげな丸い安楽椅子に坐って、自分の前にたれ下がっている
白熱燈にまばゆく照らされながら、クラム氏がいた。中背の、ふとった、鈍重そうな紳士....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
を辿り、女王は微笑む闇のなか……二つの意識は、一歩一歩緊張の度を加えながら接触の
白熱点に近づき、やがて避くべからざるクライマックスを導きださずにはおかない。漸次....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
して証明したのであって、そのはげしい信念に裏づけられた烈々たる歴史批評は、美事に
白熱の抒情をなしておる。絶世の批評文学といえるわけは、吉野の廷臣の抒情は、かくの....