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白眉
「白眉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白眉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
一段と出色《しゅっしょく》の作です。おそらくは大癡《たいち》老人の諸本の中でも、
白眉《はくび》ではないかと思いますよ」
「そんな傑作ですか? それはぜひ見たいも....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
の馬術にかかったのが丁度お午《ひる》。これがやはり十二番あって、その中でも当日の
白眉とされていた四頭立ての早駈けにとりかかったのが、かれこれ八ツ前でした。 乗....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ンの歴史小説セオファーノの話《はな》しが出たから僕はあれは歴史小説の中《うち》で
白眉《はくび》である。ことに女主人公が死ぬところは鬼気《きき》人を襲うようだと評....
「読書法」より 著者:戸坂潤
て、多大のセンセーションをまき起こしたことは極めて当然だ。近来の文芸論上の収穫の
白眉と云わねばならぬ。と共に参考になることは、ソヴェート・ロシアに於けるこの種の....
「戦雲を駆る女怪」より 著者:牧逸馬
活躍した、あの有名な踊子のスパイ Mata Hari は、大戦にともなう挿話中の
白眉《はくび》である。 この物語に伴奏をつとめるのは、殷々《いんいん》たる砲声....
「古き小画」より 著者:宮本百合子
た子供の注意で凝っと祖父の顔を見下した。老人は、急に沢山になった藪のような白髭と
白眉毛の間に、弾力のない黄色い皮膚をのぞかせ一言を云おうとする前に、幾度も幾度も....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
するそうである。――神武会は五・一五事件発生当時、群小愛国ファッショ右翼団体中の
白眉であったのだが、それが一歩退却をやったということはこの際決して無意味な事件で....
「「二銭銅貨」を読む」より 著者:小酒井不木
。由来日本語を表わす暗号には巧妙なものが少く、この暗号は正に従来作られた暗号中の
白眉と言ってよかろう。その他筋の運び方、描写の筆致など、どの点にも間然する所がな....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
ることを得たる事実は、この上もない幸運であるといえる。先生の幾多貴重な名著、殊に
白眉の『本草綱目啓蒙《ほんぞうこうもくけいもう》』四十八巻のような有益な書物は、....
「謡曲と画題」より 著者:上村松園
た能楽で小町が黒主から自分の歌を古歌と訴えられて遣る方のない狂う所作はこの狂言の
白眉であって、それをお演りになられる金剛先生のお姿は全く神技と言っていいくらいご....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
の制作に対するその詩人的感情の繊細と文辞の絶妙なるに至つては永く浮世絵研究書中の
白眉《はくび》たるべし。殊《こと》に歌麿板画のいひ現《あらわ》しがたき色調をいひ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
水甕』の昭和十年この方数十回にわたり、松原三夫氏の正徹伝が載っていて、伝記研究の
白眉である。 正徹・尭孝の歌学の対立の後、東常縁が出た。東常縁は千葉介平常胤の....
「三国志」より 著者:吉川英治
った。 馬良はやがて城へ来た。雪を置いたように眉の白い人であった。馬氏の五常、
白眉を良しと、世間に評があった。 玄徳は、彼にたずねた。 「御身はこの地方の国....
「三国志」より 著者:吉川英治
騒然たる戦気はたしかに感じられました。――けれど営門に一老夫が立っているのです。
白眉朱面、金鎧まばゆきばかり装って、毅然と突っ立ち、手に黄鉞を杖ついて、八方を睨....
「小ざかな干物の味」より 著者:北大路魯山人
の食通には、嗅覚が堪えられないと敬遠されるものであるが、美味さにおいて干もの中の
白眉であると言えよう。この干もの、近頃は昔のような製造法をもって生産されず、通人....