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白眼
「白眼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白眼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
が紫がかっていて、顔全体にむくみが来て、鋭い光を放ってかがやく眼だけれども、その
白眼は見るも痛々しいほど充血していた。……酷《むご》たらしい、どうして渡瀬さんは....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
しろ当然敵とすべき者に服従した結果なのである。彼らはじつにいっさいの人間の活動を
白眼をもって見るごとく、強権の存在に対してもまたまったく没交渉なのである――それ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
だ楽しんで生きる外に残される何事があろうぞとその人達はいう。その心持に対して私は
白眼を向けることが出来るか。私には出来ない。人は或はかくの如き人々を酔生夢死の徒....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
でござりましょう、争われぬ、争われぬ。」 と半分目を眠って、盲目がするように、
白眼で首を据えて、天井を恐ろしげに視めながら、 「ものはあるげにござりまして……....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
川の悲鳴などは、一座にまさしく聞いた人があって、その響も口から伝わる。……按摩の
白眼、癩坊の鼻、婆々の逆眉毛。気味の悪いのは、三本指、一本脚。 厠を覗く尼も出....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
をつけて、晩酌の時に呼んだ。料理は井筒屋から取った。互いに話はしても、妻は絶えず
白眼を動かしている。吉弥はまた続けて恥かしそうにしている。仲に立った僕は時に前者....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
細田氏が仰向きに倒れ手足は蜘蛛の如く放射形に強直され、蒼白の顔には炯々たる巨大な
白眼をむき出し、歯は食いしばられて唇を噛み、見るもむごたらしい最後を遂げていまし....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
唇から、糸を引いたように赤い血が流れていました。両眼はつるし上って、気味のわるい
白眼を剥いていました。多分|瞳孔も開いていたことだったでしょう。体温はすこし下っ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
、残虐きわまりなき吸血鬼が出たのだ。帽子は飛んでしまっているが、グッと剥きだした
白眼の下を覆う黒い覆面の布。おお、これは先刻この地底へ下っていった黒影の人物だっ....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
しにおしつけるのはいいが、さあ幽霊が花道へ現われたら、とたんに幽霊接待係のわしが
白眼をむいてひっくりかえったじゃ、ごめいわくはわしよりも課長さんの方に大きく響き....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
だが音が違う……女房さん、どれが、どんな顔の按摩だね。」 と聞く。……その時、
白眼の座頭の首が、月に蒼ざめて覗きそうに、屋の棟を高く見た……目が鋭い。 「あれ....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
と二日も御飯を食べないでいる若奥さんの顔も見えた。他に隣の鄒七嫂や本当の本家の趙
白眼、趙司晨などもいた。 若奥さんは下部屋からちょうど呉媽を引張り出して来たと....
「簡潔の美」より 著者:上村松園
ところ、金剛先生は、次のようなことを教えて下さった。 「能の嫉妬の美人の顔は眼の
白眼の所に特に金泥を入れている。これを泥眼と言っているが、金が光る度に異様なかが....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
概があった。が、一面から見れば得意時代であったが、その得意というは周囲及び社会を
白眼|傲睨する意気であって、境遇上の満足でもまた精神上の安心でもまた思想上の矜持....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
でさア。ひやりとした、気味の悪い冷たさに吃驚して、よく見ると人が違ッてる。しかも
白眼を薄く開けて、動かないんですからね。女給さん吃驚したの何のッて――。狂気のよ....