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「白粉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

白粉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
、夏帯にも、中形《ちゅうがた》の湯帷子《ゆかた》にも、やはり明暗の斑点を浴びた、白粉《おしろい》をつけない敏子である。男は妻の顔を見たまま、無遠慮に大きい欠伸《....
」より 著者:芥川竜之介
《とたん》に、――姉の唇《くちびる》の動こうとした途端に突然体を伸べるが早いか、白粉《おしろい》を刷《は》いた広子の頬《ほお》へ音の高いキスを贈った。広子は妹の....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
知れない。さもなければ忘れたように、ふっつり来なくなってしまったのは、――お蓮は白粉《おしろい》を刷《は》いた片頬《かたほお》に、炭火《すみび》の火照《ほて》り....
日光小品」より 著者:芥川竜之介
で若い二人の巫女にあったことがある。二人とも十二、三でやはり緋の袴に白い衣をきて白粉《おしろい》をつけていた。小暗い杉の下かげには落葉をたく煙がほの白く上って、....
老年」より 著者:芥川竜之介
ながら、細目にあいている障子の内を、及び腰にそっと覗きこんだ。二人とも、空想には白粉《おしろい》のにおいがうかんでいたのである。 部屋の中には、電燈が影も落さ....
路上」より 著者:芥川竜之介
助は「そうですか?」と云う眼をして、隣に歩いている辰子を見た。辰子の顔には、薄く白粉《おしろい》を刷《は》いた上に、紫のパラソルの反映がほんのりと影を落していた....
捨児」より 著者:芥川竜之介
名乗って出るものは見当りません。――いや勇之助が三歳の時、たった一遍、親だと云う白粉焼《おしろいや》けのした女が、尋ねて来た事がありました。しかしこれは捨児を種....
或る女」より 著者:有島武郎
さんがわが事のように金盥《かなだらい》に水を移して持って来てくれた。葉子はそれで白粉気《おしろいけ》のない顔を思う存分に冷やした。そして少し人心地《ひとごこち》....
或る女」より 著者:有島武郎
の雲をかけたような薄紫の暈《かさ》、霞《かす》んで見えるだけにそっと刷《は》いた白粉《おしろい》、きわ立って赤くいろどられた口びる、黒い焔《ほのお》を上げて燃え....
星座」より 著者:有島武郎
は鮫膚《さめはだ》の皺《しわ》や吹出物の跡のように、油気の抜けきった白ペンキの安白粉《やすおしろい》に汚なくまみれている。けれども夜になると、どんな闇の夜でもそ....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
はランプで、底の方の拡がった葉鉄の四角なのでした。また今パールとか何とかいって、白粉下のような美顔水というような化粧の水が沢山ありますが、昔では例の式亭三馬が作....
」より 著者:池谷信三郎
ら、コンパクトをとりだして、ひととおり顔を直すと、いきなりポンと彼の鼻のところへ白粉をつけたりした。 ――私のお友だちにこんな女があるのよ。靴下止めのところに、....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
ば唐めかで、羽衣着たりと持て囃すを、白襟で襲衣の折から、羅に綾の帯の時、湯上りの白粉に扱帯は何というやらん。この人のためならば、このあたりの浜の名も、狭島が浦と....
明治十年前後」より 著者:淡島寒月
の富田砂燕という人がいた。この人の前には梅素玄魚という人がいた。後にこの人は楽屋白粉というものをつくって売り出すような事をしたものである。 話が前後したが、成....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
銭を貰うもの――これは評判が好くて長続きした。半身肌脱ぎになって首から上へ真白に白粉を塗って、銭湯の柘榴口に見立てた板に、柄のついたのを前に立て、中でお湯を使っ....