白線[語句情報] » 白線

「白線〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

白線の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
逆行」より 著者:太宰治
が横からぐんと飛んで来たので、私は首筋を素早くすくめた。十間ほどふっとんだ。私の白線の帽子が身がわりになって呉れたのである。私は微笑みつつ、わざとゆっくりその帽....
おしゃれ童子」より 著者:太宰治
りました。このマントを着るときには、帽子を被《かぶ》りませんでした。魔法使いに、白線ついた制帽は不似合いと思ったのかも知れません。「オペラの怪人」という綽名《あ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
なら一時間では帰れぬだろう。掟を破るのはいまだ) 豹一はその決心を示すように、白線のはいった帽子を脱いで、紺ヘルの上着のポケットへ突っ込んだ。(なんだ。こんな....
空襲警報」より 著者:海野十三
る諸機が、闇のなかに、キチンと鼻をそろえて並んでいた。 今しも三機の偵察機が、白線の滑走路にそい、戦闘機の前をすりぬけるようにして、爆音勇ましく暗の夜空に飛び....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
ラッ何をぼんやり立っとるか」と叱り飛ばさねばならぬ。その間に一台の猾いタクシーが白線から飛び出したがために叱っておく必要がある。叱っているうちに、参詣すべきお寺....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
感じてしまうことも度々起ったのだ。 父を出むかえに、その頃、出張は必ずつばめの白線のある車で、日曜の朝着くことになっていたから、母と子供達は自動車で迎えに行っ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
はねあげたから、いたえず数馬、※《どう》ッ! と弓形にそる拍子に投げ出された長刀白線一過してグサッ! と畳に刺さった。 とたん! 側転《そくてん》した泰軒、藤....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ま》とでも接吻したらしい音。なるほど、不知火のような刀影が、見事|闇黒《やみ》に白線をえがいて走りました。 これだから、剣豪もあんまり当てにならない。 とい....
霧の中」より 著者:豊島与志雄
とで出来てる大きなインクスタンドを貰ったことがあった。背の低い中肉の女で、紫色と白線とが目立つ着物をきていた。眉がきれいに細長く弧をなしているのと、唇が薄くくっ....
女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
せておけば、幾日ももつんですって。」 長火鉢の前にぴたりと坐り、水色の地に波の白線を大きくうねらした浴衣の襟元をきつく合せ、散らし髪で猪口を手にしてる、彼女の....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
岸線の方から、都会の方から」 これが私の触角の答えであった。 私たちの制帽は白線が三条巻きつけてあったが、酒井君は細い絹糸のような条を巻き、ひさしの広い、別....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
の講演には当時、非常な感銘を受けた。また学校の学芸会の際、河合栄治郎氏がしばしば白線入りの一高帽で来たり、帝大入学後は角帽姿で後輩を指導したことは忘れられず、私....
悪魔の弟子」より 著者:浜尾四郎
し私にはそんな考えは絶対にありませんでした。私は決然として、あのあこがれの二条の白線の帽子を地に投げすて、校門を出たのでした。人は花見に浮れ、全寮の桜花はまさに....
澪標」より 著者:外村繁
る。私は私の下宿へ二人の友人を伴って来た。その一人が座に着くなり、壁の横木の釘に白線の帽子を投げる。が、帽子は的を外れ、窓の下に落ちる。私達は顔を並べて窓の外に....
寺田先生の追憶」より 著者:中谷宇吉郎
いう風に何段にもして、砂を一杯入れるのである。白砂糖の層は横の硝子板から見ると、白線になってあらわれ、これが断層の目印になるのであった。壁を引くと、砂はいくつも....