白蝶[語句情報] »
白蝶
「白蝶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白蝶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白」より 著者:芥川竜之介
巻き、黒塀の外へぬけ出しました。黒塀の外には春の日の光に銀の粉《こな》を浴びた紋
白蝶《もんしろちょう》が一羽、気楽そうにひらひら飛んでいます。
「ああ、きょうか....
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
下の村人に山の名を聞くと、あれが蝶ヶ岳で、三、四月のころ雪が山の峡《はざま》に、
白蝶の翅《はね》を延しているように消え残るので、そう言いますという。遥に北へ行く....
「雪の白峰」より 著者:小島烏水
あるし、蝶ヶ岳もある、しかし虚空に匂う白蓮華も、翅粉谷の水脈《みお》より長く曳く
白蝶も、天馬空を行かず、止まって山の肌に刻印する白馬も、悉《ことごと》く収めて、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
せてその邪魔になる佐藤孫四郎の命を縮めるよう……詰まりは恋に眼が眩《くら》んで、
白蝶の邪法を行なうことになったのでござります。佐藤にも罪はありますが、多年の馴染....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
。沈丁花の花はやや巧みにできたが、葉の陰影にはいつも失敗した。それから緋縅蝶、紋
白蝶なども採集した。小畑が送ってくれた丘博士訳の進化論講話が机の上に置かれて、そ....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
る白無垢小袖の、ろうたけた姿であった。十幾階の角形の建築物や、工場の煙突の上に、
白蝶の翼をひろげたように、雪の粉を吹いて、遠くはこんもりと黒く茂った森、柔かい緑....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
種の凄みがある。水の中に立った白樺のめぐりを、水にすれすれに円を画いて五、六匹の
白蝶が、ひらひらひらとたわむれていたが、そのうちの一匹は、力がつきたのか、水の上....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
う白い蝶を捉《とら》えようとして、浅瀬に裳《も》をとられたように引返し、 「深山
白蝶《みやまはくちょう》というのが、あれかも知れません」 信濃ギンバイの黄金の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ちの一つは白くして小さく、他の一つは黒くして大きなものです。白くして小さきは多分
白蝶と呼ぶもので、黒くして大きなるは烏羽揚羽《からすはあげは》でありましょう。こ....
「ジャングル頭」より 著者:豊島与志雄
余地はあるまい。 例えて言おう。晩春初夏の後楽園野球場には、しばしば、可憐な紋
白蝶が一匹或るいは二匹、ひらひらと飛んでいる。砂地の上や青い芝生の上を、地面低く....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
礁することができたが、この悪戦苦闘の最中に、そこの海底が木曜島にも遥かにまさって
白蝶貝、黒蝶貝の老貝の密集地帯であることを発見したのである。 後日に至って、ス....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
あり、そこまで来た時、 「あれ」と云って、栞は足を停めた。 その空地に、巨大な
白蝶の死骸かのように、一張の紙帳が、ベッタリと地に、張り付いていたからである。 ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
。いっぺんぐらいシミジミ見たいのは人情だろう。御木本の百七十グレーンという真珠は
白蝶貝やアコヤ貝じゃなくてアワビの中から現れたというから日本的である。島原の切支....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
玉梓 亡国の歌は残つて玉樹空し 美人の罪は麗花と同じ 紅鵑血は灑ぐ春城の雨
白蝶魂は寒し秋塚の風 死々生々|業滅し難し 心々念々|恨何ぞ窮まらん 憐れむべし....
「澪標」より 著者:外村繁
いている。ででっぽっぽうも鳴いている。畠の隅には、こぼれ生えの大根の花が咲き、紋
白蝶が群り飛んでいる。庭隅には、紫のかっこう花も咲いている。 晩夏の季節の時も....