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白蟻
「白蟻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白蟻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
時に伐り尽させたところが、思うほどに売れず、多くは焚料《たきもの》とするか空しく
白蟻を肥やして、基本金に何の加うることなき所多し。金銭のみが財産にあらず、殷紂は....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
やはり好きなものと、嫌いなものとの別が、あるのは否まれぬと思う。わけても、この「
白蟻」は、巧拙はともかく、私としては、愛惜|措《お》く能わざる一つなのである。私....
「少女地獄」より 著者:夢野久作
室だったそうですが、今では壁も瓦も落ちて、ペンペン草が一パイに生えて、柱も階段も
白蟻《しろあり》に喰われて、畳が落し穴みたいにブクブクになっております。 私は....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
で灼りつくような熱気には、騾の幌車にいてもマヌエラは眠ってしまう。やがてゆくと、
白蟻が草を噛みきったあとがある。兵隊蟻の、襲撃を避けるため不毛の地にしてしまう。....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
された。集会にきている職工たちから、「手渡し」で見当をつけた一人に渡された。――
白蟻のように表面には出ずに、知らないうちに露台骨をかみ崩していて、気付いた時には....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
くものは、放電であった。鼻の先にぴかりと光ったのが早いか、鳴りはためいた。足許に
白蟻ほどの小粒なのが、空から投げだされて、算を乱して転がっている。よく見ると雹だ....
「災難雑考」より 著者:寺田寅彦
困難なことには、内地のような木造家屋は地震には比較的安全だが台湾ではすぐに名物の
白蟻に食べられてしまうので、その心配がなくて、しかも熱風防御に最適でその上に金の....
「○○獣」より 著者:海野十三
た。 「一体、これはどうしたというわけだ」と、駈けつけた人々は叫んだ。 「まさか
白蟻がセメントを喰べやしまいし、ハテどうも合点のゆかぬことだ」 誰も、この東京....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ろ、これまで四十二円ですの。こっちの家より二階が一間多いだけぐらいの相違です。」
白蟻が畳をくったのですって。いかにも風通りがわるい。云々。その他沢山の苦情をあげ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ユリの生活に於て、その点をくりかえし、くりかえし、云われるわけであると思います。
白蟻にくわれてはおしまいですものね。
きのう『朝日』に今日の学生生活について一....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
は見てとることを覚えました。頽廃《たいはい》した享楽家も悪臭紛々たる不道徳家も、
白蟻《しろあり》の役目を果たしたのでした。ぐらついてる家屋を建て直すにはまずそれ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いぶかっこうな体裁の悪いものだった。遠く地平線の道を通ってゆくのを見ると、たぶん
白蟻《しろあり》という名だったと思うが、小さな胴をして大きい尻《しり》を引きずっ....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
らがって、あなをあけて住みこみ、かたい木を、まるで海綿のようにしてしまう。海中の
白蟻のような、害虫だ。 三番めのは、フナクイムシ。これは、ミミズのような長い虫....
「霊廟」より 著者:永井荷風
た実例がある。仏蘭西の地層から切出した石材のヴェルサイユは火事と暴風《あらし》と
白蟻との災禍を恐るる必要なく、時間の無限中《むげんちゅう》に今ある如く不朽に残さ....
「春心」より 著者:田中貢太郎
。そこには小さな玩具のような三寸位の富士形をした微白い物があった。それは蟻の塔で
白蟻の糞であったが、広栄は神聖視しているのであった。 街路一つ距てて母屋と向き....