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白衣
「白衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「尾生の信」より 著者:芥川竜之介
は、蔦蘿《つたかずら》が半ば這《は》いかかって、時々その間を通りすぎる往来の人の
白衣《はくい》の裾が、鮮かな入日に照らされながら、悠々と風に吹かれて行く。が、女....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
上にいるのも、いよいよ人間に紛《まぎ》れなくなった。のみならずほどなくその姿は、
白衣《びゃくい》の据を長く引いた、女だと云う事まで明らかになった。彼は好奇心に眼....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
わぬ増長慢《ぞうじょうまん》じゃ。『増長驕慢《ぞうじょうきょうまんは》、尚非世俗
白衣所宜《なおせぞくびゃくえのよろしきところにあらず》。』艱難《かんなん》の多い....
「或る女」より 著者:有島武郎
づいている五月雨《さみだれ》に、廊下には夜明けからの薄暗さがそのまま残っていた。
白衣を着た看護婦が暗いだだっ広《ぴろ》い廊下を、上草履《うわぞうり》の大きな音を....
「外科室」より 著者:泉鏡花
るごとき観あるところの外科室の中央に据えられたる、手術台なる伯爵夫人は、純潔なる
白衣《びゃくえ》を絡《まと》いて、死骸《しがい》のごとく横たわれる、顔の色あくま....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
んで、この向は天気が好いと、雲に連なって海が見える、その二階へ、雪洞を手にした、
白衣の看護婦を従えて、真中に院長夫人。雲を開いたように階子段を上へ、髪が見えて、....
「春昼」より 著者:泉鏡花
果からでも、思いさえ浮んだら、束の間に此処に来て、虚空に花降る景色を見よう。月に
白衣の姿も拝もう。熱あるものは、楊柳の露の滴を吸うであろう。恋するものは、優柔な....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
れる計り坐ったり立ったりして居るのが皆んなかんかん虫の手合いである。其の間に白帽
白衣の警官が立ち交って、戒め顔に佩劔を撫で廻して居る。舳に眼をやるとイフヒムが居....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
れる。……それは恐れん、私が居れば仔細ない。けれども、また、僧都の言われるには、
白衣に緋の襲した女子を馬に乗せて、黒髪を槍尖で縫ったのは、かの国で引廻しとか称え....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
の脚。 燈一つに附着合って、スッと鳥居を潜って来たのは、三人|斉しく山伏なり。
白衣に白布の顱巻したが、面こそは異形なれ。丹塗の天狗に、緑青色の般若と、面白く鼻....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
な、柔な白浪が、根を一まわり結んじゃ解けて拡がる、大きな高い巌の上に、水色のと、
白衣のと、水紅色のと、西洋の婦人が三人。――
白衣のが一番上に、水色のその肩が....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
と思われました時に、ひょくりと私の枕辺に一人の老人が姿を現しました。身には平袖の
白衣を着て、帯を前で結び、何やら絵で見覚えの天人らしい姿、そして何んともいえぬ威....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
が聞えたとかいう陰気な話がいろいろ出た。じっさい、その大木はこの近所にあるのだ。
白衣に身をつつんだ女の話も出た。これはレイヴン・ロックの暗い谷間に出没し、冬の夜....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
山の井医学士。枕許に看護婦一|人、右に宿直の国手が彳んで、その傍に別に一人、……
白衣なるが、それは、窈窕たる佳人であった。 その背後に附添ったのが、当院の看護....
「活人形」より 著者:泉鏡花
られながら、疼痛を堪うる天晴豪傑、かくてあるうち黄昏れて、森の中暗うなりつる頃、
白衣を着けたる一人の婦人、樹の下蔭に顕れ出でつ、やおら歩を運ばして、雨戸は繰らぬ....