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「白装束〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

白装束の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義人の姿」より 著者:田中貢太郎
御厄介をかけてあいすみません、では後のところをよろしくお願い申します」 吉平は白装束になって、前の三宝に載せた短刀を執りあげた。 「刃合を見よう」 こう云っ....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
「まあ!」 「誰か趣向をしたんだね、……もっとも、昨夜の会は、最初から百物語に、白装束や打散らし髪で人を怯かすのは大人気無い、素にしよう。――それで、電燈だって....
斗南先生」より 著者:中島敦
泣いていたのを三造は思い出した。 棺は翌朝来た。それまでに伯父の身体はすっかり白装束に着換えさせられていた。元来小柄な伯父の、経帷子《きょうかたびら》を着て横....
早すぎる埋葬」より 著者:佐々木直次郎
らその扉をさっと開いた夫を待ち受けていたろう! 門が外側へまわったとたん、なにか白装束のものが彼の腕にがらがらと落ちかかってきたのだ。それはまだ腐らない屍衣を着....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
斐博士の解剖用道具が、つぎつぎに竪坑の下からあがって来た。 甲斐博士はすっかり白装束の支度をしていた。背中には、いつでも役に立つようにと、防毒面がくくりつけて....
大空魔艦」より 著者:海野十三
つけられるおそれあるので、夜にしたのだった。 隊員は身体をすっかり氷とみまがう白装束でつつんだ。これは敵の眼をできるだけあざむくためであった。 まず松川学士....
立山の亡者宿」より 著者:田中貢太郎
微暗かったが、空は明るくなっていた。と、白い物の影が小八の眼にちらちらと映った。白装束をして頭髪をふり乱した背の高い女の姿が窪地のむこうの岩山の腰に露われて、そ....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
に殿堂をしゃにかまえてしまった。これは信者の婦人が楽器《なりもの》入《い》りで、白装束《しろしょうぞく》、緋《ひ》の袴《はかま》、下げ髪で踊るのだった。なにしろ....
白痴」より 著者:坂口安吾
一の女傑であり、気違いの女房は白痴であった。ある幸多き年のこと、気違いが発心して白装束に身をかため四国遍路に旅立ったが、そのとき四国のどこかしらで白痴の女と意気....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
のことについては、彼等はその晩城に入って、どれもこれも白鉢巻、白兜で、崇正皇帝の白装束を著ていたという。 阿Qの耳朶の中にも、とうから革命党という話を聞き及ん....
余齢初旅」より 著者:上村松園
参詣する。十一月三日はこちらの明治節のいい日であったので、結婚式が幾組もあった。白装束のや三つ衣裳のあげ帽子をかぶったうら若いお嫁さんがいて、それはいずれも日本....
役者の顔」より 著者:木村荘八
を否めません。さすがに菊五郎の知盛の大隈取りは、その顔のわくにぴったりと嵌って、白装束や薙刀も生きた、舞台一杯のものでした。 「顔」も無論平素のその人の生活から....
迷信解」より 著者:井上円了
縁の端にだれとも知らず、白き物を着けたる人立ちいたり。この僧怪しみて熟視すれば、白装束の怪物少しく動きて歩み行くように見えしかば、これ幽霊に相違なしと信じ、刀を....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
も思わず涙を流して聞いた事でございます。当日尊者はそのコンボ河畔の大なる巌の上に白装束のまま坐せられて居ります。そこはいわゆる死刑に処する場所でありますので、尊....
雪女」より 著者:小泉八雲
た。小屋の戸は無理押しに開かれていた。そして雪明かりで、部屋のうちに女、――全く白装束の女、――を見た。その女は茂作の上に屈んで、彼に彼女の息をふきかけていた、....