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白雪
「白雪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白雪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
が多かった。園は念を入れてその一字一句を読みはじめた。
「皚々《がいがい》たる
白雪山川を封じ了んぬ。筆端のおのずから稜峭《りょうしょう》たるまた已《や》むを得....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
離れ座敷のような十畳へ導かれたのであった。 肱掛窓の外が、すぐ庭で、池がある。
白雪の飛ぶ中に、緋鯉の背、真鯉の鰭の紫は美しい。梅も松もあしらったが、大方は樫槻....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
た海松のように乱れました。ええええ、その董、露草は、若様、この度の御旅行につき、
白雪の竜馬にめされ、渚を掛けて浦づたい、朝夕の、茜、紫、雲の上を山の峰へお潜びに....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
しいんでございますの。お、も、しーろし、かしらも、白し、富士の山、麓の霞――峰の
白雪。」 「それでは、お富士様、お諏訪様がた、お目かけられものかも知れない――お....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
場所 越前国大野郡鹿見村琴弾谷 時 現代。――盛夏 人名 萩原晃(鐘楼守) 百合(娘) 山沢学円(文学士)
白雪姫(夜叉ヶ池の主) 湯尾峠の万年姥(眷属) 白男の鯉七 大蟹五郎 木の芽峠の....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
進しますのじゃ……と話してくれました。……それから近づきになって、やがて、富士の
白雪あさ日でとけて、とけて流れて三島へ落ちて、……ということに、なったので。」 ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ゃありません、こりゃ御新姐……じゃあねえね――若奥様。」 五 峰の
白雪、麓の氷、 今は互に隔てていれど、 やがて嬉しく、溶けて流れて、 合うのじゃ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
御殿場へ出張した。 そこへ、お誓が手伝いに出向いたと聞いて、がっかりして、峰は
白雪、麓は霞だろう、とそのまま夜這星の流れて消えたのが――もう一度いおう――去年....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
る声。 這ったか、飛んだか、辷ったか。猟夫が目くるめいて駆付けると、凍てざまの
白雪に、ぽた、ぽた、ぽたと紅が染まって、どこを撃ったか、黒髪の乱れた、うつくしい....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
て、三つ二つひらひらと動く時、大池の波は、さながら白蓮華を競って咲いた。 ――
白雪の階の下に、ただ一人、褄を折り緊め、跪いて、天女を伏拝む女がある。 すぐ傍....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
、運命の星を算えるごとく熟と視たのでありますから。―― またその手で、硝子杯の
白雪に、鶏卵の蛋黄を溶かしたのを、甘露を灌ぐように飲まされました。 ために私は....
「多神教」より 著者:泉鏡花
面の雪景。この時ちらちらと降りかかり、冬牡丹、寒菊、白玉、乙女椿の咲満てる上に、
白雪の橋、奥殿にかかりて玉虹の如きを、はらはらと渡り出づる、気高く、世にも美しき....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
、それだと、乳首に見えようも知れません。」 浅葱の絵の具を取って、線を入れた。
白雪の乳房に青い静脈は畝らないで、うすく輪取って、双の大輪の朝顔が、面影を、ぱっ....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
れから――暑い時分だから、冷いことも悪くない。――南天燭の紅い実を目に入れた円い
白雪は、お定りその南天燭の葉を耳に立てると、仔細なく兎である。雪の日の愛々しい戯....
「西航日録」より 著者:井上円了
にわかに暖を加う。二十日早天、スペインの連山を見る。その高きものは、みな冠するに
白雪をもってす。 今日も亦ヒマラヤを見る心地せり 一望わが国の山岳に接するがご....