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「白髪染〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

白髪染の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
吉 さあ、それは疑問ですね。近代的|懐疑《かいぎ》とか、近代的盗賊とか、近代的|白髪染《しらがぞ》めとか――そう云うものは確かに存在するでしょう。しかしどうも恋....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
えなくなってしまうのですから。ところが、あのお齢《とし》になってさえも、相変らず白髪染めだけは止めようとはなさいません。そして、私がこの樹立の中にまいりますのを....
無惨」より 著者:黒岩涙香
に種々の話をしながら実は己の親類に年の若いのに白髪の有て困って居る者が有がお前は白髪染粉の類を売はせぬかと問ますと其様な者は売ぬと云います夫なら若し其製法でも知....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
にその手を突込んで、色々な品物を取出しながら、一つ一つ傍の木机の上に並べました。白髪染の薬瓶と竹の歯ブラシ。三四本の新しい筆。小さな墨汁の鑵。頬紅と口紅を容れた....
罠を跳び越える女」より 著者:矢田津世子
程、慣れたもンだな。この手で事務員達をものにしてたンだな。フフン―― 槇子は、白髪染で染たらしい黒すぎる部長の髪を、睫毛の先きで軽蔑した。 「あの、只今利札の....
十二支考」より 著者:南方熊楠
息ついて死んだから吟味すると、何か法螺《ほら》を吹き損わせて笑いやらんと巧んで、白髪染剤で常の雀を染めその毒に中《あた》っておとなしく沈みいたと判った。 元禄....
怒りの虫」より 著者:豊島与志雄
体だって、穢らわしさに変りはない。由美子のは、腋臭めいた臭気がするし、八重子のは白髪染めの臭気がする。いくら香水をふりまいてもだめだ。ざまあ見ろ。さようならだ。....
落雷のあと」より 著者:豊島与志雄
いました。母と妹はまた食物のことを話しだしました。母はもうだいぶ弱っていました。白髪染めをやめたせいか、頭髪に白いのが目立ち、腰が曲ってきたせいか、背丈が縮んだ....
道なき道」より 著者:織田作之助
く造花、水鉄砲、水で書く万年筆、何でもひっつく万能水糊、猿又の紐通し、日光写真、白髪染め、奥州名物孫太郎虫、迷子札、銭亀、金魚、二十日鼠、豆板、しょうが飴、なめ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
の電車に乗ったと思っておくれ。真夏の事でね……五十|面をてらてら磨いて、薄い毛を白髪染さ、油と香水で真中からきちんと分けて、――汗ばむから帽子を被りません――化....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
中村宗十郎が大阪から上って来て、彼が得意の「有職鎌倉山」を出し、中幕は団十郎の「白髪染の実盛」と「船弁慶」であったが、一番目ではやはり左団次の三浦荒次郎がわたし....