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白鬚
「白鬚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白鬚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蛇の死」より 著者:海野十三
お由が留守だから久し振りで玉の井へ行って見る気になりました。今戸から橋場をぬけて
白鬚橋を渡ったんです。けれど何うも気がすすまないんで、一通りひやかしてしまうと、....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
其後爺さんは湘南漫遊の砌老父が許に立寄って、八十八の旧患者は八十一の旧医師と互に
白鬚を撫して五十年前崎陽の昔を語ると云う一幕があった。所謂縁は異なものである。
....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
中を通っているサオヌ河の少し上の、ちょっと向島というようなところだ。が、そこには
白鬚様があるのでもなし、ただ小さな島一ぱいに、パリの貧民窟のと同じドンチャンドン....
「九月の或る日」より 著者:宮本百合子
模様が怪しくなり、蝉の鳴く、秋草の戦ぐ夕焼空で夏の末らしい遠雷がしていた。帰りは
白鬚から蒸気船で吾妻橋まで戻る積りで、暗い混雑した向島の堤を行った。家に帰る沢山....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
桜餅、三囲神社《みめぐりじんじゃ》、今は、秋葉《あきば》神社の火のような紅葉だ。
白鬚《しらひげ》、牛頭天殿《ごずてんでん》、鯉《こい》、白魚《しらうお》……名物....
「小さな旅」より 著者:富田木歩
うか」と訊くと良さんは「暮れませんよ」と云う、で、早速俥は引き返された。間もなく
白鬚も後にして諸会社から吐き出された職工達の芋を洗うようにこみ合う中を縫うて進ん....
「競漕」より 著者:久米正雄
言い出したが、それが何だか妙な不安を与えたことも争われなかった。 そこで彼らは
白鬚橋下から三分の力漕をして大連湾まで行った。いつの間にかそこらの陸にはほんとの....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
中村は、座席から腰をうかして、ガラスの仕切りを指で叩いた。運転手は、うなずくと、
白鬚橋《しらひげばし》から浅草のほうへ戻りはじめた。 「神月は、相変らず、くだら....
「葛飾土産」より 著者:永井荷風
浅草下谷区内では○浅草新堀○御徒町忍川○天王橋かかりし鳥越川《とりごえがわ》○
白鬚橋《しらひげばし》瓦斯タンクの辺橋場のおもい川○千束町《せんぞくまち》小松橋....
「百花園」より 著者:永井荷風
きは時代の趨勢に反した事業であるのみならず、又既に其時を逸している。わたくし達は
白鬚神社のほとりに車を棄て歩んで園の門に抵《いた》るまでの途すがら、胸中窃に廃園....
「水のながれ」より 著者:永井荷風
と共に廃止された。上流の小松島から橋場《はしば》へわたる渡船も大正の初めには早く
白鬚橋《しらひげばし》がかけられて乗る人がなくなったので、現在では隅田川に浮ぶ渡....
「向嶋」より 著者:永井荷風
も盛なり。中略三囲の鳥居前より牛《うし》ノ御前《ごぜん》長命寺の辺までいと盛りに
白鬚《しらひげ》梅若《うめわか》の辺まで咲きに咲きたり。側は漂渺《ひょうびょう》....
「国境」より 著者:黒島伝治
水が凍らないように、長い棒でしょっちゅう水面をばしゃばしゃかきまぜ、叩いていた。
白鬚まじりの鬚に氷柱をさがらした老人だった。 税関吏と、国境警戒兵は、そのころ....
「娘」より 著者:岡本かの子
ら餅屋知ってる」 「ああ知ってるよ。向う河岸の公園出てすぐだろ」 「じゃ、一人で
白鬚の渡し渡って買ってらっしゃい。行ける?」 蓑吉は、この冒険旅行に異常な情熱....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
も己の威勢を験して見たいと思ったので、
好い機会と見て、思案もせず、
あの親爺の
白鬚に涼しい風を送ったまでだ。
無論坊主共は慰をし損ねて、
あれからは己の事を好....