白鼠[語句情報] »
白鼠
「白鼠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
白鼠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
六の男がたずねて来た。かれは神田の明神下の山城屋という質屋の番頭で、利兵衛という
白鼠《しろねずみ》であることを半七はかねて知っていた。 「なんだかお天気がはっき....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
があるだろうと思うんだが……。おいらは前から知っているが、あの金兵衛という番頭は
白鼠で、そんな不埒を働く人間じゃあねえ。ましておかみさんとは母子ほども年が違って....
「鰊漁場」より 著者:島木健作
じめたのだった。小樽へも早々に出かけ、今年はもう融通ができないというのを、大山の
白鼠の帳場を待合に生捕り、一週間つきっきりで責めたあげく、資金もやっと借り出して....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
方がいい。その中自然と解るだろうよ」 「兎に角只の鼠じゃあねえな」 「ナーニ案外
白鼠かもしれねえ」 「どう致しまして、大悪党だろう」 「お前こそ何ういう人間なん....
「申陽洞記」より 著者:田中貢太郎
聞えた。そして、その声が止んだので眼を開けた。自分達の立っている前を一匹の大きな
白鼠が数疋の鼠を連れて歩いていた。李生達はその
白鼠を見ていた。 鼠は見付の丘へ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
声がしばらく聞えるようでしたが、やがてその声がやんだので眼を開くと、一匹の大きい
白鼠がさきに立って、豕のような五、六匹の鼠がそのあとに従っていました。そこには一....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
、木を伐りに行って大きな白蛇己を噬《か》まんとするを見、逃げ帰って妻に語ると、妻
白鼠や白蛇は宝物の変化《へんげ》だといって夫とともに往き、蛇に随って巌穴に入り、....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
た木箱のなかで、じぶんの身体よりもずっと大きい車をくるくるまわしつづけるかわいい
白鼠を買った。それは三つの車がついている一番いい
白鼠の小屋に、
白鼠を七ひきつけて....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
て、火中にとびこんで死んでしまった。それが寛永寺の戦争の年だ。主家は没落したが、
白鼠の藤兵衛は、自分だけは永年よろしくやっていたから、少からぬ貯えができている。....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
りました。 久「あれは感心でございます、佐久間町の山口屋善右衞門の所に奉公をして
白鼠と云われるくらいで、あれは変って居ります、それをお嬢様が見抜いて嫁に入らっし....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
板には豚の子ばかし写っとったそうだ」と、ひとこと附け加えてくれた。 九、家には
白鼠あれば山には背広の紳士あり。サン・フロランタンの町はすぐそこだ、と要塞を出る....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
とを考えりゃア……」 というセリフがあるし、先々代圓蔵が得意とした「派手彦」で
白鼠の番頭さんが阪東なにがしという踊りのお師匠さんを病気になるほど思いつめ、とど....
「早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
もた》れて店番しているのを見て、三次は、ははあ、これが昨日瓦屋へ談じ込んで行った
白鼠だな、と思った。 上り框《がまち》へ腰を下ろしながら見ると、上り際の縁板の....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
らないように見受けられた。何か大声に怒鳴りながら店と奥とを往ったり来たりしている
白鼠を、あれが大番頭の喜兵衛だなと藤吉は横目に睨んで行った。近い親類の者も駈けつ....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
盤《そろばん》で乃公《おれ》の頭をなぐった親爺《おやじ》にしろ、泣いて意見をした
白鼠《しろねずみ》の番頭にしろ、暖簾《のれん》を分けてもらったお豊の亭主にしろ、....