百も承知[語句情報] » 百も承知

「百も承知〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

百も承知の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
う。あいつが僕に惚れている事がわかりゃ、あいつが嫌《いや》になると云う事は、僕は百も承知しているんだ。そうしてあいつが嫌になった暁《あかつき》にゃ、余計世の中が....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
、二百万円だしてくれた。 二号になれという意味だろうと貴子は察してむろんそれは百も承知だという顔をしたが、ところが章三はその後土曜日の夜ごとにやって来ても、口....
ある崖上の感情」より 著者:梶井基次郎
いというような気持ですね。また一方ではそれがたいていは僕の気のせいだということは百も承知で、そんな度胸もきめるんです。しかしやっぱり百に一つもしやほんとうの人間....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
、こっちへ渡して貰おうと思っていたのだ。それは手前勝手に相違ない。わたしもそれを百も承知しているから、大《だい》の男が手をさげてお頼み申したのだ。否《いや》なら....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
じゃあねえか。いや、仮病はわかっている。どうで越ヶ谷へ行っても無駄だということを百も承知しているから、頭が痛えの、尻が痒いのと云って、一寸逃がれをしているのだ。....
恭三の父」より 著者:加能作次郎
てそして手紙を詳しく説明すれば、それで何の事もなく済んで了うのであることは恭三は百も承知して居たが、それを実行することが頗る困難の様であった。妙な羽目に陥って蚊....
恋愛曲線」より 著者:小酒井不木
。 君の所謂「冷たい血しか流れて居らぬ」僕が恋の敗北者であるということを、君は百も承知の筈である。だから、僕に対して恋の勝利者である君は、僕の贈り物が、一面に....
火薬船」より 著者:海野十三
ことはよくない事だった。船長の命令をまもらないのは、わるいことだと、竹見は百も二百も承知していた。しかしながら、彼はわかかった。海へ出て来たのは、生命をまとに、....
東京要塞」より 著者:海野十三
にこぼすとか、なんとかいい方法がありそうなものじゃないか」 「そんなことは向うで百も承知ですよ。いよいよ仕事が終ったというときには、僕たちは強制的に風呂の中に入....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ラを去るに忍びなかった。しかも私はシムラにいれば、自分が結局殺されるということを百も承知していた。その上に、一日一日と少しずつ弱って死んでゆくのが私の運命である....
怪しの館」より 著者:国枝史郎
分でも遅れては駄目だ」不安そうな男の声である。 「九仭の功を一|簣に欠くよ」 「百も承知さ」と嘲笑うように、「お前さんにいわれるまでもない」 「で、どうだい?」....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
深い怨みの敵討ち 「その玻璃窓の旦那なら、おとつい観に来たじゃありませんか」 「百も承知だ。待っていたんだからな。そこで早速秀郎の野郎に例の鼓を打たせたのさ。ア....
剣侠」より 著者:国枝史郎
まいました。馬を牛に乗り換えるもいいが、日頃お二人さんの張合っているのを、百も二百も承知の上で、林蔵親分を袖にして、猪之松親分へ血道をあげ、狎れつくとは性悪の骨....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
を、裏長屋同然の場所で売っていて誰が買いに来るものか。 無論、お前もそのことは百も承知してか、ともかく宣伝が第一だと、嘘八百の文句を並べたチラシを配るなど、ま....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
りに筆を走らしたので、陶庵侯招宴一条の如きは二葉亭の性質として応じないのは百も二百も承知していて少しも不思議と思っていないから、二葉亭の気質を能く理解んでる私が....