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百千
「百千〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
百千の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
尺くらい、この下には雑多な岩が並ぶとみえて、ちらちらちらちらと玉の簾《すだれ》を
百千に砕《くだ》いたよう、件《くだん》の鰐鮫《わにざめ》の巌に、すれつ、縋《もつ....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
この町中へ水を湛うるような事は無いのである。人事僅かに至らぬところあるが為に、幾
百千の人が、一通りならぬ苦しみをすることを思うと、かくのごとき実務的の仕事に、た....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
同じ一つの樹として生長し発育している。それと同様にまた我々の自然観についても、数
百千年に亘るその枝葉の変遷の間に常に一貫して認められる指導観念のあることに気が付....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
うな面が将軍家のおん手に渡りて、これぞ伊豆の住人夜叉王が作と宝物帳にも記されて、
百千年の後までも笑いをのこさば、一生の名折れ、末代の恥辱、所詮夜叉王の名は廃った....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
息した。 「それでは小さい災いを免かれまい」 その翌日、東市から火事がおこって
百千家を焼いたが、まずそれだけで消し止めた。(芝田録) 画虎 霊池県、洛....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
空に浮んだおからだが、下界から見る月の中から、この世へ下りる間には、雲が倒に
百千万千、一億万丈の滝となって、ただどうどうと底知れぬ下界の霄へ落ちている。あの....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
底に主が棲む……その逸するのを封ずるために、雲に結えて鉄の網を張り詰めたように、
百千の細な影が、漣立って、ふらふらと数知れず、薄黒く池の中に浮いたのは、亀の池の....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
な感じをあたえた。しかも自分とはまるで反対の見方をしている教授の暗示が、あたかも
百千の鬼が歯をむき出して彼を笑っているような、暗い疑惑を誘い出したのである。彼は....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
閑を割いて面会を遂げた政治界、貴族社会、学会、文学界、芸術界等の大立物のみでも幾
百千というを知らなかった。要するに彼は一切の心霊問題に関して、当時の全英国民の顧....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
急なり。) 唄※ときに不思議や、一天にわかに掻きくもり、潮はどうどうと怒り立ち、
百千の悪鬼|羅刹は海の底よりあらわれたり。 (玉虫は足拍子を強くふみて、両人に向....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
放れ、 「ああ、良い月だ、妙法蓮華経如来寿量品第十六自我得仏来、所経諸劫数、無量
百千万億載阿僧祇、」と誦しはじめた。風も静に川波の声も聞えず、更け行くにつれて、....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
んぐるま草、栂桜、岩髭、千島竜胆など生いて、池中の巌石にも及べり。偃松の中は、数
百千年の落葉つもりつもりて、厚さ三、四尺に達し、これを踏むに、あたかも弾機の如し....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
近い路にまで剣なす岩石が突出した。其中には怒れる人の顔のような真蒼な岩もあった。
百千人の生血を灑ぎ掛けたような真赤な岩もあった。岩と岩との間は飛んで渡るより他は....
「草木の暗示から」より 著者:小川未明
からの変りのない現象であって、人がそれに見入って、生の喜びを感ずる心持も、また幾
百千年経っても、変りがないと思われました。 なんにも其処には理屈がないのです。....
「海からきた使い」より 著者:小川未明
唄声にききとれていました。あまりに、その音が悲しかったからです。故郷といえば、幾
百千|里遠いかわからないからです。そして、帰りたいと思っても、いまや、そのすべす....