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百味
「百味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
百味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
大家に出入りする資格は無かった。否、この手術だけ心得ていれば、あとは売薬を詰めた
百味箪笥と、頭の形と、お太鼓持ちだけで、立派なお医者様として生活が出来たという位....
「口笛を吹く武士」より 著者:林不忘
」 神奈川の宿だ。その中ほどに、掛け行燈《あんどん》の下に大山講中、月島講中、
百味講、神田講中、京橋講中、太子講――ずらりと札の下がったわき本陣、佐原屋は今日....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
る、七宝を宮となし身高四十里、衣の長さ四十里、広さ八十里、重さ二両半、神力を以て
百味の飲食《おんじき》を化成すれど、最後の一口変じて蝦蟇《がま》と為《な》る、も....
「易の占いして金取り出したること」より 著者:南方熊楠
拝し、まず願を発していわく、わがために食を雨《ふ》らせよ、と。語に随ってすなわち
百味の飲食《おんじき》を雨らす。かくのごとく種々のもの意に随って宝を得。時に夫、....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
草市と盂蘭盆 魂まつりということ、釈迦の教えに基づいて年々の盂蘭盆に、精霊壇へ
百味五果を供え、以て祖先の霊を招くは江戸ッ児のザックバランにも合する振舞いで、そ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
飲食便利衰老の煩を免るる能わず。香美の稲ありて一度|種《う》うれば七度収穫され、
百味具足し口に入ればたちまち消化す。大小便の時地裂け赤蓮花を生じて穢気を蔽《おお....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
越 (涙ぐむ。) 七左 おふくろどの、主がような後生の好人は、可厭でも極楽。……
百味の飲食。蓮の台に居すくまっては、ここに(胃をたたく)もたれて可うない。ちと、....
「連環記」より 著者:幸田露伴
、救いたい、化度したいというのが、即ち仏菩薩なので、何も蓮花の上にゆったり坐って
百味の飲食に啖い飽こうとしているのが仏菩薩でも何でも無い。寂心は若い時から慈悲心....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のうちにも、この大衆という文字はないことはなかろう。まてよ、いま、天性備えつけの
百味箪笥《ひゃくみだんす》を調べてお目にかけるから―― 道庵先生は、自分の頭の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
で、 「そこでまた薬というやつが、苦《にが》いのもあれば辛《から》いのもあって、
百味の箪笥《たんす》にちゃんと納まっているが、いざ、人の腹中へ行って働きをしよう....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
し、香魚の飴《あめ》だき、いさざの豆煮と見たはひがめか、かく取揃えし山海の珍味、
百味の飲食《おんじき》、これをたらふく鼻の下、くうでんの建立《こんりゅう》に納め....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
飴《あめ》だき、いさざの豆煮と見たはひがめか、かく取揃えし山海、いや山湖の珍味、
百味の飲食《おんじき》、これをたらふく鼻の下、くうでんの建立に納め奉れば、やがて....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
た時には随分出たお薬ですから。」 書生さんはそっちのけです。まだ座敷の隅にある
百味箪笥――今は薬ばかりでなく、いろいろの品の入れてあるその箪笥から、古い袋を取....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
にはオイシクなり、なかんずく、スープはいろいろの余りものを入れて煮出すとみえて、
百味のあじを持っておるから非常にオイシク、毎度二杯ずつ傾けた。肉はあまり大切りに....
「切支丹転び」より 著者:田中貢太郎
じゅうては、眼が舞いそうじゃ、そのうえ、この間中の談議ごとに、大難に逢うときは、
百味の御食をくだされて、天の上へ引きあげてくだされるとのことじゃったが、この大難....