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「百姓家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

百姓家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
ずらりと並んで、顔を出しているのが常である。 或殿が領分巡回の途中、菊の咲いた百姓家に床几を据えると、背戸畑の梅の枝に、大な瓢箪が釣してある。梅見と言う時節で....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
この生物はかえって死物のように思いなされる。ましてや平原のところどころに散在する百姓家などは、山が人に与える生命の感じにくらべれば、惨めな幾個かの無機物に過ぎな....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
せっかく来てくれてもこのさまではねィ、妾ゃまた盆にくるだろうと思ってました」 「百姓家だものこのさまでけっこうですよ。何も心配することはありゃしないさ」 「そり....
未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
や》に入れてあるから」 お百姓さんにつれられて、一郎は、その家へいった。大きな百姓家だった。この辺で、一番大きいお百姓さんだということだった。 お百姓さんは....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
いて、骨が抜けたように、がっくり俯向いておりましたが。」 十二 「百姓家の納戸の薄暗い中に、毛筋の乱れました頸脚なんざ、雪のようで、それがあの、客....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
(どちらへ?)と聞く。 (踏切の方へ行って見ましょう。水が出たそうですから。)百姓家二三軒でもう畷だが、あすこは一方畑だから、じとじと濡れてるばかり。片方に田....
星女郎」より 著者:泉鏡花
溢れて出たか、崖から墜ちて来たか、未来も、過去も、世はただ仮の宿と断念めたらしい百姓家――その昔、大名の行列は拝んだかわりに、汽車の煙には吃驚しそうな人々が住ん....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
のが使われた。それは松脂の蝋で練り固めたもので、これに類似した田行燈というものを百姓家では用いた。これは今でも一の関辺へ行くと遺っている。 ◇ ....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ろの安宿で、半分居酒屋のようなものでした。ところで、そのなかはホルシュタイン風の百姓家の台所といったていさいでした。なかにはおおぜいの人間が、船乗や、コペンハー....
野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
した。 さて、夜のすっかり明けきらないまえ、はくちょうたちは、妹のエリーザが、百姓家のへやのなかで眠っているところへ来ました。ここまできて、はくちょうたちは屋....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
のは愉快な事でした。 その中でも殊に日当りのいい場所に、川近く、気持のいい古い百姓家が立っていました。そしてその家からずっと水際の辺りまで、大きな牛蒡の葉が茂....
」より 著者:犬田卯
の行っていた東京の電気会社へ出るときまったときは、頭から反対して怒鳴り散らし、「百姓家の長男が百姓しねえなんちあるもんか、家をどうするんだ、家の相続を――」など....
余齢初旅」より 著者:上村松園
牛にのってのどかに歩いているところや、羊が点々と遊んでいるところなどがみられた。百姓家があったり、家が潰れかかっているさまも却って雅趣がみえて嬉しかった。小川が....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
って、十二、三歳の頃に描いた襖画が今でも川越の家に残ってるそうだが、どんな田舎の百姓家にしろ、襖画を描くというはヘマムシ入道や「へへののもへじ」の凸坊の自由画で....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
永びくようなら、次の春には君のところへ行こう。そうしたらどこか景色のよいところに百姓家を一軒借りてくれないか。六カ月ほど百姓の生活がしてみたい。おそらくそれが僕....