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百日
「百日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
百日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
も、屋敷にとじこもっているらしかった。その内に彼等の旅籠《はたご》の庭には、もう
百日紅《ひゃくじつこう》の花が散って、踏石《ふみいし》に落ちる日の光も次第に弱く....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
で断つのを意としなかった。 他人眼から見て相当の精進と思われるべき私の生活が幾
百日か続いた後、私は或る決心を以て神の懐に飛び入ったと実感のように空想した。弱さ....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
なる。三月の間は長いとも短いともいえる、悲しく苦しく不安の思いで過ごさば、わずか
百日に足らぬ月日も随分長かった思いがしよう。二人にとってのこの三月は、変化多き世....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
した。 白鼠の運動を見ているのは、楽しい時もあったが、地球を出発してからもはや
百日に近い。白鼠の車まわしに見あきたのもあたりまえだろう。 「ねえ、帆村のおじさ....
「脳の中の麗人」より 著者:海野十三
くと、やがて大きな社の前に出た。鳥居の間から、ひろい境内が見える。太い銀杏樹が、
百日鬘のように繁っている。彼は石段に足をかけようとした。そのときふと背後に人の気....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
の人には金が要ろう、田地も要ろう、雨もなければなるまいが、我々二人|活きるには、
百日照っても乾きはしない。その、露があれば沢山なんだ。(戸外に向える障子を閉す。....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
そうした時は象牙骨の扇でちょっと招いてみたり。……土塀の崩屋根を仰いで血のような
百日紅の咲満ちた枝を、涼傘の尖で擽ぐる、と堪らない。とぶるぶるゆさゆさと行るのに....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
かかって、貴下の手から錠を解いて、縫のその袖を返して頂きたいと存じ、およそ半年、
百日に亙りまして、狂と言われ、痴と言われ、愚と言われ、嫉妬と言われ、じんすけと嘲....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
、邸構えの寂しい町も、桜の落葉に日が燃えて、梅の枝にほんのりと薄綿の霧が薫る……
百日紅の枯れながら、二つ三つ咲残ったのも、何となく思出の暑さを見せて、世はまださ....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
毎年顔も店も馴染の連中、場末から出る際商人。丹波鬼灯、海酸漿は手水鉢の傍、大きな
百日紅の樹の下に風船屋などと、よき所に陣を敷いたが、鳥居外のは、気まぐれに山から....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
の鳥居のなかなり。いと広くて地をば綺麗に掃いたり。榊五六本、秋は木犀の薫みてり。
百日紅あり、花桐あり、また常磐木あり。梅、桜、花咲くはここならで、御手洗と後合せ....
「米」より 著者:犬田卯
じりともせずに、あれこれと胸の中で算盤を弾いた。――自家ではどうしても、これから
百日と計算して、一家八人、割当だけでも約六俵は必要なのに……それが一俵しかない。....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
かも知れない。しかし帰れません。思切って、ずかずかと立入って、障子を開けますと、
百日紅が、ちらちらと咲いている。ここを右へ、折れ曲りになって、七八間、廂はあるが....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
痛惜する友人門生のみであった。初夏の夕映の照り輝ける中に門生が誠意を籠めて捧げた
百日紅樹下に淋しく立てる墓標は池辺三山の奔放|淋漓たる筆蹟にて墨黒々と麗わしく二....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
合は本尊が私設外務大臣で、双方が探り合いのダンマリのようなもんだったから、結局が
百日鬘と青隈の公卿悪の目を剥く睨合いの見得で幕となったので、見物人はイイ気持に看....