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「百獣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

百獣の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
に一目は光を放ち、一目は物を看《み》る、声|吼《ほ》ゆる事雷のごとく風従って生じ百獣震え恐るとある。しかし全くの虚譚でもないらしく思わるるは予闇室に猫を閉じ籠《....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
それだから寒月には、あんな釣り合わない女性《にょしょう》は駄目だ。僕が不承知だ、百獣の中《うち》でもっとも聡明なる大象と、もっとも貪婪《たんらん》なる小豚と結婚....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
かしながら、リンリンと人を哀れがらせ、嘴と鼻を兼帯にして阿呆阿呆と鳴き渡り、又は百獣を震い戦かせんと鼻息を吹き立てております。 こんなのはヒョットコやおかめの....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、縄をかけ外してみて、この犬の力量を認識する。 「あるとも、この犬が三匹いると、百獣の王なる獅子、あちらではライオンという、その獅子と取組むそうだよ、犬が二匹で....
獅子舞雑考」より 著者:中山太郎
的はしばらく別問題として)、葬儀に際して疎《ウト》び荒《アラ》び来る死の凶霊を、百獣の王である獅子の威光によって、払い除ける呪力あるものとして、用いたのに始まる....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
いまして、ガーと云ったときには気の弱いものは胆を挫がれます。獅子|出て吼ゆる時は百獣脳裂すというて、王獣が怒って吼える時は小さい獣の頭が砕けるというぐらいでござ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
の中に見かけられる。軒先の檻に生きた熊を飼っている熊の胆屋だの、獣皮を懸け並べた百獣屋だの、木曾櫛の店だの、ここの宿場もなかなかの雑鬧。 その熊の胆屋の一軒。....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
産物を売っている。 瓢先生は、果たしてこの奇なる景観にうたれたとみえて、やがて百獣店の一軒へ、ずッと寄って行ったかと思うと、その店先へ腰をおろした。 「いらっ....
三国志」より 著者:吉川英治
!」と、さけんだ。彼は今日まで、自分にそんな大きな声量があろうとは知らなかった。百獣も為に怯み、曠野を野彦して渡るような大喝が、唇から無意識に出ていたのである。....
三国志」より 著者:吉川英治
まれるばかりであった。 「えおうッ」 「うオーッ」 声は、辺りの林に木魂して、百獣もために潜むかと思われたが落つるは片々と散る木の葉ばかりで、孫策はいよいよ猛....
三国志」より 著者:吉川英治
の白い小旗をさしている男です」 案内に立った敗兵のひとりが支流の対岸を指した。百獣を追いまわす獅子王のような敵の一大将が遠く見える。 「……?」 玄徳はやや....
三国志」より 著者:吉川英治
を動かず、一戦するの勇気があるのか」 と、いった。 その声は人臭いが、猛気が百獣の王に似ている。 いつぞや韓遂にいわれたことばを思い出して、馬超も、心に怕....
三国志」より 著者:吉川英治
例の如く蔕鐘を打ち鳴らし黒風を呼んで、後なる猛獣群を敵軍へけしかけた。 凄じい百獣の咆哮に、砂は飛び猛風は捲く。孔明の四輪車は、たちまち、梶をめぐらして、二段....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
が、青毛布のバケツ頭の金の眼の獅子の勇気は譬えようもなかった。まことに獅子こそは百獣の王だと見られた。しかしだ、それも二度か三度か跳ね廻ると、意外にもくたくたと....