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「百足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

百足の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
である。彼自身を恥ずる心の上には如何なる独創の芽も生えたことはない。 又百足《むかで》 ちっとは足でも歩いて見ろ。 蝶 ふん、ちっとは羽根でも飛んで見....
富士」より 著者:岡本かの子
ようなものの、それ等の山は多く未開の山で、ちょっと人に訊いただけでも、山の主は、百足《むかで》であるとか、猿であるとか、鷲であるとか、気の利いた山の神ではなかっ....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
つでも音楽が生まれるものと見える。 船はもう一個の敏活な生き物だ。船べりからは百足虫のように艪の足を出し、艫からは鯨のように舵の尾を出して、あの物悲しい北国特....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
あって、両側ともほぼ直径一寸ほどの円形を作っていて、その円の周囲には、短い線条が百足の足のような形で群生している。創口には、黄ばんだ血清が滲み出ているのみである....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
のを見て、佐助は、この醜怪なる老人が蛇の頭を噛る光景は、冬の宿の轆轤首が油づけの百足をくらうくらいの趣きがあろうと、 「いざまずこれへ」 と、早速老人を洞窟へ....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
勇躍敵にあたった。信玄は陣形を十二段に構え、迂廻軍の到着迄持ちこたえる策をとり、百足の指物差した使番衆を諸隊に走らせて、諸隊その位置をなるべく保つようにと、厳命....
獄中記」より 著者:大杉栄
考えるようになる。 仕事はある。しかしそれは馴れさえすれば何とでもなる。一日幾百足という規定ではあるが、その半分か、四分の一か、あるいはもっと少なくなってもい....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
さてまたこのむしが、本物の虫を嫌うことがある。誰れにでもよくあることだ、私は百足が厭だとか蛇が大嫌いとか、なめくじが嫌だとか毛むしあるいはいもむし、といろい....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
七十余りの爺さんを視ながら、蝮は弱ったな、と弱った。が、実は蛇ばかりか、蜥蜴でも百足でも、怯えそうな、据らない腰つきで、 「大変だ、にょろにょろ居るかーい。」 ....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
何たる偏奇。新らしい陶器を買っても、それを壊して継目を合せて、そこに金のとめ鎹が百足の足のように並んで光らねば、その陶器が自分の所有になった気がしないといったあ....
獄中消息」より 著者:大杉栄
仕事をあてがわれた。何というものか知らんが、下駄の緒の芯にはいる麻縄をよるのだ。百足二銭四厘という大枚の工賃で、百日たつとその十分の二を貰えるのだそうだ。今のと....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
月極寒の西伯里を、巨大なインターナショナル・ツレーンは、吹きつける吹雪を突き破り百足のような姿をしてオムスク指して駛っている。しかし室内は暖かい。暖かい室内には....
昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
屑!」「おい、蠅!」「おい、南京虫!」「おい、蛆虫!」「おい、しらみ!」「おい、百足!」「おい、豚!」――何をぬかしやがるんや。俺が豚やったら、あいつは、豚もあ....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
蝶の目ざめるような鮮色。そしてどこかに、極楽鳥のほのぼのとした声がする。やがて、百足を追い毒蛇を避けながら、“Niningo”の大湿地へ出たのだった。 そこは....
むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
とのありありと残っている彼の顔を見詰めていました時、どこから出て来たのか、大きな百足が畳の上をさらさらと音を立てて横ぎり、縁側の方へ逃げました。端近く座っていた....