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的伝
「的伝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
的伝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
を否定している。けれども伝吉はこの間も仇打ちの一念は忘れなかったのであろう。比較
的伝吉に同情を持たない皆川蜩庵《みながわちょうあん》さえこう書いている。「伝吉は....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
感情や家族的倫理意識を指すことは、今更云わなくても判っていることだ。習俗とは歴史
的伝統を負った処の社会的規範であり、その意味での人倫や道徳というものに他ならない....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
たので、物陰でそれを聞いた信長が感じて殺さずに終《しま》ったのである。詩の句は劇
的伝説を以て名高い雲横雪擁の一|聯《れん》で有ったと伝えられて居るが、坊主かえり....
「科学論」より 著者:戸坂潤
想定するものは併しながら、決してドイツの新カント学派ばかりでない。フランスの哲学
的伝統の最も有力な一つにぞくする「科学の哲学」者達の多くの者も亦、独特な仕方に於....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
う保護色の下に今日まで生きのびた、落胤である(アルフレッド・ヴェーバーの歴史主義
的伝統に於ける文化社会学は、この点を最も好く代表していはしなかったか)。それは云....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
にとっては決して伝統的なものではない。フランスではヒューマニズムは一つの国民文化
的伝統にぞくする。従って夫は民衆を捉える何よりもの言葉だ。丁度日本に於ける忠君愛....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
文学的又学術的な資格を帯びて来たのであったが、哲学はそのラテン語によるスコラ階級
的伝統を破るには十七世紀の初頭までかかる必要があった。デカルトは初めて意識的に、....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
がすでに危険思想ということになっているが、時の文部大臣奥田義人が認めた京大の模範
的伝統を蹂躙することは、文教の府として、それ自身引け目を感じることである。まして....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
ラスな現象であるが、尤も原始キリスト教だってそうだったのだし、それだけでなく民族
的伝説や歴史の始まりなど皆そうなので、単にそのお筆先きが新しいか旧いかというだけ....
「科学的精神とは何か」より 著者:戸坂潤
をひもとく場合だ――却ってエキゾティックなものを見ようとさえするのが、今日の文化
的伝統主義から来る必然的な結果に他ならぬ。 引用精神・文献精神・が、足下の現実....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
にいただかない方がよろしいようだ。どうも遊び好きの男に限って、こういう甘美な感傷
的伝説の中に籠城したがるのでこまる。アンリ・ベイルのメチルド夫人に於ける如く、ア....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と額を上げた。 「要するに、接神妄想なんですよ。これは、ボーマンの『宗教犯罪の心
的伝染』と云う著述の中にある事実ですが、十六世紀の始めチューリッヒの羅馬加特力教....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
と、こまるが、失われた古代の歴史、たとえば日本書紀が甚しく多数の文字を用いて説話
的伝説的に物語を構成している失われた古代を、これは、また、たった二十か三十の字を....
「大阪の可能性」より 著者:織田作之助
近代的な虚構の新しさに発展して行く可能性もなく、いってみれば京都弁という身辺小説
的伝統には、新しい言葉の生れる可能性は皆無なのである。京都弁はまるで美術工芸品の....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
出なかった。そうしてこのお方の伝記は実に奇態な事が自然的に出来上って居る。全く詩
的伝記に成り立って居るです。ただにその人一部の伝記が詩的であるのみならず、そのま....