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「皆の衆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

皆の衆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
も、皆ことごとく身構えた。すると、その時、市九郎はしわがれた声を張り上げた。 「皆の衆、お控えなされい。了海、討たるべき覚え十分ござる。この洞門を穿つことも、た....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
郎 (受取りて)おおいかにも、火急の用事と見えまする。ちょっと披見いたしまする。皆の衆御免なされませ。なになに漣子《れんし》どの、巣林《そうりん》より、さて近松....
白髪小僧」より 著者:杉山萠円
時宇潮と藻取とはやっと気を取り直して、皆の者に向って異口同音に叫びました―― 「皆の衆《しゅ》、聞いて下さい。私達はもう立派に諦めを付けました。二人の者は水の底....
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
分中の百姓衆の名前を借りて、きっと嘆願に出まするぞ。 甚兵衛 何をいうぞ。わしは皆の衆にそういわれると、ただうれしいだ。うれしいだ。 甚吉 (無念の形相で、睨み....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、それから又往来の方を向いてそこらにブラブラしている四五人の男に向って、「おい、皆の衆。お前ら駄目じゃねえか」と怒鳴った。 その四五人のうちの一人が、グッとこ....
地球盗難」より 著者:海野十三
もろうたらどうかいなア……」 「うん。わしももう生きた心地がないのじゃ。……ドレ皆の衆に追いつかにゃ……」 そういって、故老古花甚平は、外へ出ていった。 大....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
か。しみったれたことを云うな、と勝った奴がいきります。 お手渡で下される儀は、皆の衆も御面倒、これへ、と云うて、あか柄杓を突出いて、どうどうと受けました。あの....
死者の書」より 著者:折口信夫
間もなかった。彼女自身、壁代に寄せかけて置いた白木の檀弓をとり上げて居た。 それ皆の衆――。反閇ぞ。もっと声高に――。あっし、あっし、それ、あっしあっし……。 ....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ああ、おっかさん、そなたのおかげで心が晴れ晴れしてきましたわい。ではさようなら、皆の衆、さようなら、大事な愛《いと》しい皆の衆!」 彼は皆の者を祝福して、一同....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
々に叫んでいた。 「うめえぞ。俺《おれ》はリューマチにやられて左の足が悪い。だが皆の衆、俺は愉快だ。市民らは用心するがいい、奴《やつ》らを引っくり返す歌を俺が吐....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
上の喜びはない、さア皆さん奥へお出で下さいまし、ゆるりとお礼を申しましょう、いや皆の衆、予て覚悟とは申しながら、何とも彼とも申しようのなき心配をいたしました、い....
作男・ゴーの名誉」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
うじゃ」 こういって彼はコツコツ歩きまわりながら不機嫌そうに煙草をすった。 「皆の衆」とフランボーがわざと勿体らしく云った。「諸君俺に注意するがよい、俺が昔は....
おせん」より 著者:邦枝完二
めたような綺麗な飴じゃ。買って往かんせ、食べなんせ。天竺渡来の人参飴じゃ。何んと皆の衆合点か」 もはや陽が落ちて、空には月さえ懸っていた。その夕月の光の下に、....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
ではなくて、群集の中にはほかの問題に興味をもった連中もあったのである。 「だがね皆の衆、あのイズマイロフの若女房にも、変てこな噂があるじゃないか」と、イズマイロ....
清心庵」より 著者:泉鏡花
い立つことがあって行脚に出ます。しばらく逢わぬでお暇乞じゃ。そして言っておくが、皆の衆決して私が留守へ行って、戸をあけることはなりませぬぞ。) と、そういって....