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皆伝
「皆伝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
皆伝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
義を、肝深く銘じた。彼は、馳せて柳生《やぎゅう》の道場に入った。十九の年に、免許
皆伝を許されると、彼はただちに報復の旅に上ったのである。もし、首尾よく本懐を達し....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
並みから察するに、おそらく下手人は今いった三人のうちのどやつかから一子相伝の奥義
皆伝でもうけた娘か妹か、いずれにしても身寄りの者にちげえねえんだ。かりにそれが眼....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
な、お黙り! なるほど、犬の顔にも裏表があるかもしれねえがね、よしんばお駒が免許
皆伝の剣術使いであったにしても、包丁はドス、そのドスが血によごれて、死骸《しがい....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
、十二の時に藩の指南番伊達何とかいう人に見出されて、その弟子となって、十八で免許
皆伝を貰った。剣道、柔道、槍術、馬術、行くとして可ならざるはなく、ことに柔道はそ....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
め、私には顔の側方を向け、而も一番私に云う強い語気で「ふん、あれでも神伝流の免許
皆伝か。」麻川氏「くどく云うなよ。」赫子「だってとうとう瞞されちゃった。」私は判....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
「では解らないではございませんか。……はたしてお強いかお弱いか?」 「鐘巻流では
皆伝だよ。年二十三で
皆伝になる、まあまあよほど強い方さ」一式小一郎は唇を刎《は》....
「安吾武者修業」より 著者:坂口安吾
信州伊奈の浪合に一寺を造って定着し、ここで多くの門弟に剣を伝えた。この浪合で印可
皆伝をうけたものが十四名あって、その一人に樋口太郎|兼重があり、これが馬庭念流の....
「花咲ける石」より 著者:坂口安吾
しかし彼には天分があったばかりでなく、人の何倍という稽古熱心の性分があった。免許
皆伝をうけて後も怠ることなく、師の法神が諸国の山中にこもって剣技を自得した苦心に....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
次男であって、その時年齢二十三、神道無意流の大先生戸ヶ崎熊太郎の秘蔵弟子で、まだ
皆伝にはなっていなかったが、免許はとうに通り越していた。武骨かというに武骨ではな....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
切り込んで来た。 「おっ」と叫んだがそこは手練、宇津木|矩之丞剣道では、一刀流の
皆伝である、前へパッと飛び越した。 と、もう引き抜いていたのである。 「無礼!....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
酒様だかね?」 「さよう、拙者は平手造酒だ」 「へえ、さようでごぜえますか。では
皆伝でごぜえますな」「さよう、拙者は
皆伝だ」「お前様さえ打ち込んだら、こっちのも....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
を見送ったが、口の中でつぶやいた。
「油断をしているとこんな目に逢う。一刀流では
皆伝の技倆、起倒流では免許の技倆、などと自慢をしていながら、真正面から女の子のた....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
浜田の藩士で、初め荒木寛畝に画を学ばれましたが、武芸を好まれて、宝蔵院流の鎗術の
皆伝を受けられたそうです。井上通泰氏が小出氏とお心安かったのは、嗜好が同じだった....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
いようになりゃ、喧嘩流の折紙だって、もうちっと年紀を取って功を積んで来ると、極意
皆伝|奥許と相成ります。へ、」 「おやおやそうすると。」 「喧嘩をしませんとさ。....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
軽薄らしいが、まったくの処……一生懸命で、土間でも床でも構う気じゃなかった。拳銃
皆伝の一軸、極意の巻ものを一気に頂こうという、むかしもの語りの術譲りの処だから。....