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皈
「皈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
皈の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
くも無いが、シカシさびた眺望《ながめ》で、また一種の趣味が有る。団子坂へ行く者|
皈《かえ》る者が茲処《ここ》で落合うので、処々に人影《ひとかげ》が見える、若い女....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
平和な、安易な、しかも極めて奇特な言が一致して、裸体の白い娘でない、御供を残して
皈ったのである。 蒼ざめた小男は、第二の石段の上へ出た。沼の干たような、自然の....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
ほう。」 「やっと、お天気になったのが、仙台からこっちでね、いや、馬鹿々々しく、
皈って来た途中ですよ。」 成程、馬鹿々々しい……旅客は、小県、凡杯――と自称す....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
が立つと、手が切れた。むかいに来た親は、善知鳥、うとうと、なきながら子をくわえて
皈って行く。片翼になって大道に倒れた裸の浜猫を、ぼての魚屋が拾ってくれ、いまは三....
「旅役者の妻より」より 著者:矢田津世子
諦めて居りました。 余りの事に良人も心細くなりましたものとみえ、しきりに岡村へ
皈りたがり、おれも、もう五年も
皈らぬし、伊助も休暇で
皈る頃故あれの顔もみたいから....
「父」より 著者:矢田津世子
しからお話しますからね」 姉は鮨を食べ終わると時計を気にしながらこう云い置いて
皈って行った。 二 間もなく、そこの表通りで麻布の奥様にお会いしまし....