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皓歯
「皓歯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
皓歯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たが、右門はむろんむっつりと唖《おし》でした。隠してしまうには惜しいくらいな明眸
皓歯《めいぼうこうし》のりりしい男まえを深々と天蓋におおって、間道を今度こそは板....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
まったく白ちゃけてしまうのであるが、この場合も、それと同じ色彩の対比であろうか。
皓歯《しらは》の輝きが一つ一つ消え行くにつれて、それに取って代った天鵞絨《びろう....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
はい。」 すぐに美人が、手の針は、まつげにこぼれて、目に見えぬが、糸は優しく、
皓歯にスッと含まれた。 「あなた……」 「ああ、これ、紅い糸で縫えるものかな。」....
「竹青」より 著者:太宰治
はたと翼の音がして、 「別来、恙無きや。」 振り向いて見ると、月光を浴びて明眸
皓歯、二十ばかりの麗人がにっこり笑っている。 「どなたです、すみません。」とにか....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
鯛、比目魚 一 素顔に口紅で美いから、その色に紛うけれども、可愛い音は、唇が鳴るのではない。お蔦は、
皓歯に酸漿を含んでいる。…… 「早瀬の細君はちょうど(二十)と見えるが三だとサ、....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
がら歩行ましょう。」 「弱虫だね。」 大通へ抜ける暗がりで、甘く、且つ香しく、
皓歯でこなしたのを、口移し…… 九 宗吉が夜学から、徒士町のとあ....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
「お澄さん、剃刀を持っているか。」 「はい。」 「いや、――食切ってくれ、その
皓歯で。……潔くあなたに上げます。」 やがて、唇にふくまれた時は、かえって稚児....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
欠かさずに湯に入って、綺麗にお化粧をして、寝る時はきっと寝白粧をしたんですって。
皓歯に紅よ、凄いようじゃない事、夜が更けた、色艶は。 そして二三度見つかりまし....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
とに、式の白粉を施し、紅をさし、墨もて黛を描く、と聞く。 素顔の雪に化粧して、
皓歯に紅を濃く含み、神々しく気高いまで、お珊はここに、黛さえほんのりと描いている....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
分ばかり貴婦人に注いでもらって、袖を膝に載せながら、少し横向きになって、カチリと
皓歯の音がした、目を瞑って飲んだんです。 (姉さんは。) (いいえ、沢山、私は卑....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
でいて非常に愛嬌がある。さぞ横顔がよいだろう、そう思われるような高い鼻、いわゆる
皓歯それを蔽て、軽く結ばれている唇は、紅を注したように艶がよい。笑うと左右にえく....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
――心中見た見た、並木の下で しかも
皓歯と前髪で―― 北国金沢は、元禄に北枝、牧童などがあって、俳諧に縁が浅くない....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
箱をと思う間もなく、愛吉のを取って、臆面なし、海鼠は、口に入って紫の珠はつるりと
皓歯を潜った。 「おお、冷こい!」 すっと立ち――台所へ出ようとする。 「何で....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
」 「あら、卑怯だことね、お毒味は済んでるのに。」 と、あとのに、いきなりまた
皓歯を当てると、 「半分を、半分を、そのまま、口から。」 と、たとえば地蔵様の....
「雷嫌いの話」より 著者:橘外男
代表して、日本に駐※していた時分であった。この公使館に、頗る優美な女がいた。明眸
皓歯、風姿|楚々たる、二十三、四の独身の秘書であったが、私は、この|お嬢さんに、....