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皮切り
「皮切り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
皮切りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ありますが、清元の浄瑠璃に凝り固まってしまったのだから些と困ります。なんでもその
皮切りは、同役の人の下屋敷へ呼ばれて行ったときに、その酒宴の席上で清元の太夫と知....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
文に対して、どの人も無言のうちに承諾の色目をみせたが、さて自分からまず進んでその
皮切りを勤めようという者もない。たがいに顔をみあわせて譲り合っているような形であ....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
りには蓮華温泉から白馬岳に登り鎗温泉に下り、吉田口から富士山に登り御殿場に下山を
皮切りに、九月には大峰山脈を縦走し大台ヶ原山に登った。十月には大山に登り船上山へ....
「パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
入って行きさえすれば、あとは、すぐ、皆ながおじけずになだれこんで行ける。が、その
皮切りをやる者がなかった。 「栗本、貴様行け。」 煙草を吸っていた吉川をとがめ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
から怨ずるような、憤るような眼を刑事達に投げかけていた。 静子の訊問はこの日を
皮切りとして三日間続いた。警察当局者の考えでは支倉の犯した数々の罪、前後三回に亘....
「恐竜島」より 著者:海野十三
物の研究」という論文を書いて発表した。 ダビットのとった映画は、ニューヨークを
皮切りに地球上の国々で長期興行の記録を作っていった。この功績のために、ケンとダビ....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
ひどく躊躇したものだが、幼稚園の子供のような気持になって、恐る恐る筆を執ったのが
皮切りで、その後次第に大胆になり、青楓氏と河田博士と私とで山水の合作を描き、狩野....
「今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
。ぐずぐずしていると、防空壕の入口が閉ってしまうところであった。 それが爆撃の
皮切りであった。それから、始まって、息をつぐ間もなく、爆裂音が続いた。壕の天井や....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
るいは私の記憶ちがいで別の機会であったかも知れん。 これが外国の水泳選手来朝の
皮切りであったと思う。当時の日本の国際レベルの選手は高石一人だが、彼は競泳界を引....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
後までうっとりと見ほれているものもあった。 つぎは個人のかくし芸だったが、その
皮切りにも、大河無門が立ちあがって例の蝉の鳴き声をやり、大|喝采だった。それにこ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
合いこそしてはいないが、予てから、顔は充分見知っている仲、自然にその事が、談話の
皮切りとなり、私が頭を擡ち上げると、きまり悪そうに其所を去ったことなども笑い話の....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
―今年は全道みんな不作だ。何処でも小作争議が起りそうだんだ。――それで何処かで、
皮切りでもされれば大変だ。んだから、外の地主も俺達のば何んとかして、うやむやにし....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
松翁君である。 この時代のことでもあり、殊に局外者の作を舞台にかけるのは殆んど
皮切りというのであるから、おそらく劇場側からも多少の無理を頼んだでもあろうし、松....
「城」より 著者:カフカフランツ
っておりました。それにもかかわらず、わたしたちは仕事に取りかかったのでした。父が
皮切りに始めました。村長のところ、秘書たちのところ、弁護士たちのところ、書記たち....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
たんだ。」 「で、一体どんなことをしたんだ?」 「それがよ、はじめのつもりじゃァ
皮切りにまず商売人が怪談ばなしを一席やる。――つゞいて誰かそんな話を持合している....