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皮屋
「皮屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
皮屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
》をいくつとなく外から括《くく》りつけたのも、そこにぶら下がっていた。その隣りは
皮屋であった。眼も爪も全く生きた時のままに残した大きな虎の皮に、緋羅紗《ひらしゃ....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
ちょうど北の方の千島、カムサツカ、北海道の山奥あたりから引《し》き上げて来る熊の
皮屋から皮を仕入れて、あと月の半ばに東京へ着いたんです……。 ところで御承知の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かを知らなかった。二日ばかりは縁の下に隠して置いて、百助はそれを自分の知っている
皮屋に売り込もうとしたが、相手は足もとを見て無法に廉《やす》く値切り倒したので、....
「蠅男」より 著者:海野十三
、床には剥製の虎の皮が三枚も敷いてあり、長椅子にも、熊だの豹だのの皮が、まるで毛
皮屋に行ったように並べてあった。 玉屋総一郎は、大きな机の前にある別製の廻転椅....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
詰りは救われそうもないのだ。 「ここが、二〇九番地だから、この奥だろう」 と、
皮屋と剃刀屋のあいだの階段をのぼり、突き当りのボロ蜂窩へはいってゆく。 廊下は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
福島の宿駅を立ち出でることしばし、 「あ、忘れた」 と馬上で叫び出し、 「あの獣
皮屋《けがわや》へ、熊胆《くまのい》のいいところを一くくりあつらえて、昨夜《ゆう....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
対する愛着が、ようやく深くなってゆくことは是非もないらしい。 木曾街道では、獣
皮屋《けがわや》の店頭に飾ってあった大熊に見惚《みと》れて、そうして道庵を取逃し....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
も山陰地方では、山子・木挽・石屋等に限って、叺様の藁縄製の袋を携帯しているが、旧
皮屋部落の青年が、それを蒲で作ったものを持っておったとあるのも思い合される。蒲ま....
「長吏名称考」より 著者:喜田貞吉
吏の名を得た者であったと解せられる。もっともエタがことごとく長吏ではない。皮田・
皮屋・皮坊などと称せられた皮革業者は、その身に穢れありとの事から皆エタ仲間に見做....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
れば彼らは本来の穢多ではありません。今でも地方によっては穢多と言う語はなくして、
皮屋・皮坊などと云います。若狭に細工村という特殊部落のあるのも、皮細工人の意味で....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
む履物などの細工をして、世人から賤しいものと見られたのである。各地にエタのことを
皮屋・皮坊と云い、或いは訛ってかわっぽうなどとも云う。或いは彼らが広く皮田と呼ば....
「「エタ」名義考」より 著者:喜田貞吉
、普通には多く「皮田」と呼ばれていたのみならず、今もエタの名を唱えずして、皮坊・
皮屋、皮田など呼ぶ地方の少からぬ事は、一層この疑問を深からしめるものである。 ....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
る。或いはその住居の状況から、宿の者、垣内の者などと云い、職業とするところから、
皮屋、皮坊、皮太、茶筅、御坊、鉢屋、簓、説教者、博士など、種々の名称があるが、要....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
はそれぞれ一面の真実を伝えたものである。ただ、その餌取またはエタの意味が、後世の
皮屋のみを称したものとは違って、広く浄人や唱門師の徒を指したものであることを忘れ....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
これに対して世間の見る目がだんだん変ってきます。現に死牛馬を扱い、皮革を製造する
皮屋の輩は、実際その身の穢れがあるというので、文字通りの本当の「穢多」とされてし....