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皮帯
「皮帯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
皮帯の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球盗難」より 著者:海野十三
身体は、安楽椅子の上から、この風変りな手術台の上に移され、その首、手、足などが、
皮帯でしっかりと台の上に結びつけられた。 博士の顔は、だんだんと子供の頬のよう....
「ズラかった信吉」より 著者:宮本百合子
灌木の枝を押しわけ明るい道へ出てしまった。 六 信吉はズボンの
皮帯を締めながら、クシャクシャな髪をして、隣の室へ出て行った。 朝日が室へ射し....
「モスクワの辻馬車」より 著者:宮本百合子
ている。もうまわりは人だかりだ。若い交通巡査は、黒い外套の胸をふくらませてしめた
皮帯の前へ差した赤い指揮棒の頭をひねくりながらきき終ると、手を帽子へやりロシア風....
「誰のために」より 著者:宮本百合子
しようとしても、看守はその留置人をコンクリートの廊下へひきずり出して、古タイヤや
皮帯で、血の出るまで、その人たちが意気沮喪するまで乱打して、ヤキを入れた。殴る者....
「地球要塞」より 著者:海野十三
被《がいひ》が開いた。私の目に、プラットホームの灯が、痛いほどしみこんだ。私は、
皮帯を外して、外へ出た。そして、しばらくは、柔軟体操をつづけた。身体中の筋肉とい....
「遠野へ」より 著者:水野葉舟
ぬっとその由爺が身を入れた。 肩幅の広いのに兵卒の着る外套を着て、腹のところを
皮帯でしめている。頭巾で頭から頤をつつんで、その間から、黒い荒い鬚がムシャムシャ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
った。しかしその男は剣を持っていなかった。またある男は、その長上衣の上に国民兵の
皮帯と弾薬盒とをつけていたが、弾薬盒の被布には公の秩序と赤ラシャで縫いつけられて....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
両手にいっぱい、取って置いた四着の軍服を持っていた。後に続いたコンブフェールは、
皮帯と軍帽とを持っていた。
「この服をつけてゆけば、」とアンジョーラは言った、「....
「魔都」より 著者:久生十蘭
残っている。洋服の背筋の縦の縫目と、上着の裾の横の一線、それからだらしなく下った
皮帯の端が、鋳型彫《クリユウ》のように薄っすらと彫り込まれている。
皮帯の端をブラ....
「琴」より 著者:マクラウドフィオナ
リイは単純に答えた。 王は顔を暗くした。アルト・マック・アルトは銀のかざりした
皮帯に下げた短剣に右の手をやった。 「お前は娼婦か」 「いいえ、私の母の誠実にか....
「精」より 著者:マクラウドフィオナ
ている海の水泡のように白かった。彼女は白い衣《きぬ》の上に鞣《なめ》された仔鹿の
皮帯を金の釦金でしめていた、衣《きぬ》はひろがって暖かい風が胸を吹くのにまかせて....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
すぐ彼の後から、ここの主の伶人(楽師)が小走りにつづいて来て、 「ご装束の石帯(
皮帯)が、お腰の辺で縒じれておりまする。お直しなされては」 と、注意した。 「....