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皮革
「皮革〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
皮革の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
摺れ合う音がした。衝立の上に、ポールの上衣がパサリとかかった。それからガチャリと
皮革が垂れ下った。 そのとき、中からペンの愕く声が聞えた。ポールの制する声を押....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
正面の太い円柱の陰から、蝙蝠のようにヒラリと空虚な舞台へ飛び出したものがあった。
皮革で作ったような、黄色い奇妙な服を着た痩せこけた男だった。グッと出口の警官隊を....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
椅子を、彼の大机の方へ引寄せて土居に薦めた。そして帆村自身は、大机に附属している
皮革張りの廻転椅子に尻を下ろした。その廻転椅子は心棒がどうかしていると見え、彼が....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
丸卓子の上に大きな獅子のブックエンドにはさんである大きな帳簿をなでた。その帳簿は
皮革の背表紙で「研究ノート」とあり第一冊から始まって第九冊まであった。 「どうぞ....
「長吏名称考」より 著者:喜田貞吉
せられる。もっともエタがことごとく長吏ではない。皮田・皮屋・皮坊などと称せられた
皮革業者は、その身に穢れありとの事から皆エタ仲間に見做された結果、長吏指揮の下に....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
作百姓に対して、田屋の称呼も起り得る訳である。 仙北でもまた庄内地方と同じく、
皮革を扱う旧特殊民をラクといっていたそうな。これは本誌一月号「庄内雑事」中に書い....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
たがって牛馬はその斃死するを待ってエタの手に渡し、その皮を剥いで社会の必要品たる
皮革の原料を供給せしめるのであった。今日生牛馬を屠殺して肉を食うの習慣ある時代の....
「特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
阿弥陀様のお金には手をつけなかったという話もある。けだし彼らはもと屠殺を業とし、
皮革を扱い、肉食に慣れていたがために、穢れたるものとして、仏者から嫌われ、ことに....
「特殊部落と細民部落・密集部落」より 著者:喜田貞吉
え、人の忌み嫌うところの牢番・斬罪・捕方・掃除、屍体の取片付け、死牛馬の皮剥ぎ、
皮革の製造業等の賤職に従事して、それに甘んじておったのも、一つはこんな得分があっ....
「エタと非人と普通人」より 著者:喜田貞吉
間に、そう区別のなかったものと察せられる。しかるにこれらの河原者や夙などの中で、
皮革を扱い肉を食して、その身に穢ありと認められたものがエタとなり、他のものと区別....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
宿住まいの下級労働者・雑遊芸人、ないし手伝い・日雇取りという様な類で、その中にも
皮革業にたずさわったものはエタとなり、祝言・遊芸等に従事したものは後世所謂河原者....
「「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
世人から最も多く嫌われたのである。その理由は、主として彼らが牛馬の肉を喰い、その
皮革を取り扱った為である。これらの所行を以て穢れたものと信じた往時の社会にあって....
「牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
とってそう不思議でなかったに相違ない。 しかしながらまた一方においては、牛馬の
皮革の需要はかなり多かった。その肉もまた無論口腹の慾を充たすに足るものである。捨....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
の称を用いて、その間に或る区別の存在が認められていた。 エタはすなわち屠殺業者
皮革業者で、職業上当時の迷信から、その身に穢れ多しと認められたから、これを文字通....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
ものである。ここにはこれらの徒をみな穢多といっている。その後これらの徒の中でも、
皮革を扱わなかったものはエタ仲間から除外されたが、もとはひとしくエタと呼ばれたの....